工学部ヒラノ教授とおもいでの弁当箱

今野浩 著

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工学部ヒラノ教授とおもいでの弁当箱

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2016年10月20日

ISBN978-4-7917-6954-4

どうしてだろう、大人になっても私はどうしても早弁をしてしまう――
戦後まもない幼少期の記憶、父と囲んだ一杯のかけそば、腹いっぱい食べた学食、おどろきの留学生活、しあわせのつまった愛妻弁当、妻に作りつづけた介護食、そして独りになったいまの食卓……。人生の折々には忘れられない食事の風景がある。ひとりのエンジニアの人生から時代をみつめるシリーズ最新作。

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【目次】

1 幼稚園児のひもじい生活
梅ちゃん先生/「梅ちゃん」と「おしん」の間/給料の遅配

2 ハングリ小学生
進駐軍のお恵み/ニコニコ弁当/使い勝手がいい次男/母なき子

3 衣食足りた中・高時代
ブルジョア中学校/松阪牛のすき焼き/母の手料理

4 弁当と学食
二人の迷子/家弁/”かつドロン”弁当/バカヤロー弁当とコノヤロー弁当

5 新入社員の食べ歩き
カジキ・フライ弁当/一日三〇〇円の食費/すき焼きより計算機/大手町食べ歩き

6 アメリカ式食生活
本場のハンバーガー/二つのアメリカ/パーティー会計学/ランチ会計学

7 天国と地獄
王候貴族の生活/食堂がない大学/陸の孤島の食生活/生涯最悪の弁当/早弁助教授/立食パーティ戦略/グローブが握る寿司

8 大岡山食べ物事情 
おばけそば/ニコニコ弁当再び/学生の胃袋/贅沢になった学生

9 日本式ホームパーティ
持ち回りの新年会/越中島饗宴/朝のディナー/ジャイアント・パーティ

10 会議に出る弁当
弁当が出なくなった会議/三者そろい踏みの会議/一部のメンバーだけに弁当が出る会議

11 食べる人から作る人に 
食べ歩き/違いが分かる女/わたし作る人/料理はものづくりである/おかずの宅配

12 介護施設の食生活
要介護度三/介護施設の給食/要介護度五/トラベリング・プロフェッサー

13 独居寡夫の食生活
最期の持ち回り新年会/独居老人の規則正しい生活/工学部の語り部/”まごはやさしい”食生活/特製トマト・シチュー/失われたレシピ/やりたいことがやれるうちに

14 大下血後の食生活
突然死のチャンス/あれにならない健康情報

15 わが友アルコール

 

あとがき

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[著者] 今野浩(こんの ひろし)

一九四〇年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部卒業、スタンフォード大学OR学科修了。Ph.D.,工学博士。筑波大学助教授、東京工業大学教授、中央大学教授、日本OR学会会長を歴任。著書に『工学部ヒラノ教授』、『工学部ヒラノ教授の事件ファイル』、『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』(以上、新潮社)、『工学部ヒラノ助教授の敗戦』、『工学部ヒラノ教授と七人の天才』、『工学部ヒラノ名誉教授の告白』、『工学部ヒラノ教授の青春』、『工学部ヒラノ教授と昭和のスーパーエンジニア』、『工学部ヒラノ教授の介護日誌』、『あのころ、僕たちは日本の未来を真剣に考えていた』(以上、青土社)、『ヒラノ教授の線形計画法物語』(岩波書店)など。