娘に語る人種差別

-新版-

タハール・ベン・ジェルーン 著,松葉祥一 訳

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娘に語る人種差別

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2017年3月21日

ISBN978-4-7917-6975-9

「ねえ、パパ。人種差別って何?」
自分とは違った人たちとどう向き合うか

10歳の娘メリエムに問いかけられた素朴な疑問に答え、社会精神医学の専門家にしてゴンクール賞作家が、まず父親として、子どもと同じ視点で始める対話。眼前の現実状況から歴史認識まで、「差別」を根本的に問い直す。日本版に際し、新稿「子どもたちの言葉」を書き下ろし。全仏ベストセラー。

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【目次】

序文


メリエムとの対話
ねえパパ、「人種差別」って何?/「優れている」ってどういうこと?/私も人種差別主義者になるかもしれないと思う?/「異なる」って?/脅かされていると感じるのは人種差別主義者の方なの?/「外国人」って何?/勉強したことから人種差別が生まれるかもしれないでしょ……/戦争が起こるのは人種差別主義者のせいなの?/人種差別は、いつもあったの?/人種差別って戦争なの?/「衝動」って何?/人種差別主義者というのは、外国人が嫌いだから外へ押し出そうとする人のこと?/「差別」という語は、どういう意味?/人種差別主義者の科学的証明ってどんなの?/どうしてアフリカ人は黒い肌をしていて、ヨーロッパ人は白い肌をしているの?/「人種差別主義者」って何?/「社会的・文化的差異」って何?/「遺伝学」って何?/私たちは、遺伝よりも教育のせいで違っているの?/人種差別主義者って、まちがえている人でしょ/宗教は人種差別的だということ?/みんなが人種差別主義者でなくなるようにするにはどうしたらいいの?/「拒否」や「拒絶」って何?/自分自身を愛さない人っているの?/どうやって闘うの?/「ユーモア」って何? 笑いのこと?/愚かだったら、人種差別主義者なの?/「身代わりの山羊」って何?/「自己欺瞞」って?/「絶滅」って何? きっと恐ろしいことね!/「民族大虐殺」って何なのか説明して/「民族」って何?/どうして黒人なの?/「植民地主義」って何?/どうしたら、国が人種差別的になるの?/以前、移民はフランス人だったの?/移民が来る前、フランスに人種差別はあったの?/人種差別は直るの?/人種差別主義者たちは、自分たちが臆病だということを知っているの?/人種差別主義者は馬鹿だわ
 

結論
 

付録 子どもたちの言葉


訳者あとがき
新装版への訳者あとがき
新版への訳者あとがき

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[著者] タハール・ベン・ジェルーン(Tahar Ben Jelloun

1944年モロッコ生まれ。母国で哲学の教師を務めたあと、71年パリで社会学、社会精神学を修め、博士号取得。在学中より、詩や小説を発表し、87 年には『聖なる夜』でゴンクール賞、2011年の『アラブの春は終わらない』ではレマルク平和賞を受賞。ジャーナリスト・小説家としてアラブ・マグレブ問題には欠かせない存在である。著書:『聖なる夜』(紀伊國屋書店)、『出てゆく』(早川書房)、『アラブの春は終わらない』(河出書房新社)ほか多数。
 

[訳者] 松葉祥一(まつば しょういち)

1955年生まれ。哲学、倫理学。同志社大学嘱託講師。著書:『哲学的なものと政治的なもの』(青土社)、『現象学的看護研究』(共著、医学書院)。訳書:デリダ『触覚、ジャン=リュック・ナンシーに触れる』(青土社)、リオタール『なぜ哲学するのか?』(法政大学出版局)など多数。