興行師たちの映画史 新装版

-エクスプロイテーション・フィルム全史-

柳下毅一郎 著

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興行師たちの映画史 新装版

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2018年3月23日

ISBN978-4-7917-7059-5

映画は芸術でも産業でもない。見世物なのだ。
大魔術、セックス、フリークス、偽ドキュメンタリー、人種映画、大仕掛け宣伝……リュミエールを元祖とし、ハッタリ屋ヒッチコック、奇術師オーソン・ウェルズまで、企画・撮影・出演・宣伝・上映を一手に握った興行師たちが、特定の観客をあてこんでつくったエクスプロイテーション(搾取)映画こそ、映画史の本流だった!

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【目次】

第1章 映画という見世物の誕生 それはリュミエールにはじまる

第2章 エキゾチズムと偽ドキュメンタリー
1 エキゾチズムの起源
2 クーパー/ショードサックの冒険映画
3 ヤコペッティとモンド・ムービーの誕生

第3章 魔術師の映画 フーディーニからキートンへ
1 大魔術師フーディーニ
2 フーディーニの後継者たち

第4章 フリークショー映画の栄華
1 奇形の展示と見世物の誕生
2 最高の見世物映画『フリークス』
3 フリークス映画の発展

第5章 トッド・ブラウニングとカーニナル映画人
1 トッド・ブラウニング
2 エド・ウッド・ジュニア――史上最低の映画監督
3 見世物研究家のフレッド・オーレン・レイ

第6章 セクスプロイテーション映画の隆盛
1 映画がセックスとともにはじまる
2 性教育映画
3 ヌード映画の誕生
4 ラス・メイヤーの巨乳映画
5 ソフトコア・ポルノの歩み
6 『ディープ・スロート』とハードコアの到来

第7章 人種向け映画
1 人種向け映画とは何か
2 最初の人種向け映画
3 イディッシュ映画の盛衰

第8章 ウィリアム・キャッスルと付加価値商法
1 不純な映画
2 ギミック映画の黄金時代
3 付加価値映画の試み

第9章 興業とプロデューサー
1 映画館の誕生
2 エクスプロイテーション映画の黄金時代
3 日本のエクスプイテーション映画プロデューサー

第10章 現代のエクスプロイテーション
1 エクスプロイテーション映画の死
2 映画のエクスプロイテーション

 

謝辞
新装版あとがき
参考文献
映画題名索引
人名索引

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[著者] 柳下毅一郎(やなした きいちろう

1963年生まれ。東京大学工学部卒業。雑誌編集者を経て、英米文学翻訳家。著書に『新世紀読書大全』(洋泉社)、『皆殺し映画通信』(カンゼン)など。訳書にJ・ウォーターズ『悪趣味映画作法』(青土社)、R・A・ラファティ『第四の館』(国書刊行会)など。監訳書に『J・G・バラード短編全集』(東京創元社)などがある。