ユリイカ2018年9月臨時増刊号 総特集=山本直樹

-『BLUE』『ありがとう』『ビリーバーズ』『レッド』から『分校の人たち』まで-

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ユリイカ2018年9月臨時増刊号 総特集=山本直樹

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2018年8月29日

ISBN978-4-7917-0355-5

渾身の大作『レッド』、ついに12年越しの完結!
1984年のデビュー以来『BLUE』『ありがとう』『ビリーバーズ』『堀田』など数々の問題作を発表、過激にしてクールな独自のエロティシズムを追究し続けてきたマンガ家・山本直樹。いまなお幅広い世代から熱烈な支持を集める鬼才の膨大なキャリアと作品世界を一望する総特集。

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【目次】

■ロングインタビュー
職業としてのエロマンガ家 / 山本直樹(聞き手=稀見理都)

■Essays 1――愛をこめて
山本直樹のこと。 / 江口寿史
信頼と諦観 / とり・みき

■官能の地平から
身も蓋もなくエロス――山本直樹のミニマリズム / 永山薫
森山塔はどこにいる / 新野安
夢見るままに待ちいたり――「美少女」概念と山本直樹マンガの狭間にて / 宮本直毅

■対談Ⅰ
描くことのアルス・エロティカ / 山本直樹+会田誠

■Essays 2――恋焦がれて
初体験 / 後藤まりこ
エロスの矛先、議論すなわちペニスのポコ先 / ジョニー大蔵大臣
山本直樹に赤くなる女たち――『BLUE』とマスターベーションを巡って / 姫乃たま

■オマージュイラスト
大野安之/内田春菊/奥浩哉/町田ひらく/ふみふみこ/ゴトウユキコ

■静寂と余白
「日常性」への信頼と呪縛 / 一九九〇年代の山本直樹をめぐって / 杉本章吾
山本直樹を読むという体験――操作可能性のエロティシズム / 鶴田裕貴
「ギリギリ」の抒情性――「ファンシー」を中心に / 小林坩堝

■単行本未収録ルポマンガ――『レッド』前史
山本直樹の探りながらいってみよう(抄) / 山本直樹

■Rhapsody in “RED”
猟奇からエロを経て人間的なものへ――『レッド』小論 / 紙屋高雪
組織と個人を透徹に描く――合理的な個人による不合理な集団行動としての『レッド』 / 富永京子
虚構内存在として生まれた怪物的Mの現実への侵食――「夕方のおともだち」と『レッド』の間にある断層 / 足立加勇

■対談Ⅱ
移りゆく時代と、われらがマンガ道 / 山本直樹+黒田硫黄

■Essays 3――手を取りあって
山本直樹とエロティクス / 岡聡
夢の構造 / 七里圭

■そしてまた僕らはのぼっていく……
密室内の虚実――山本直樹の「BLUE」について / 篠原雅武
うみべのまちのぼくらの青春――『YOUNG & FINE』読解案内 / 日高利泰
娘の成熟と父の崩壊――『ありがとう』論 / 可児洋介
ゲーム仕掛けの神――山本直樹『ビリーバーズ』を読む / 小泉義之
朦朧と幻想の山本直樹――『堀田』を中心に / 坂口周
マンガの不安、間隙の声――山本直樹『夜の領域』における夢と目覚め / 川崎公平

■資料
山本直樹主要作品解題 / 稀見理都/永山薫/宮本直毅/新野安