まなざしの装置

-ファッションと近代アメリカ-

平芳裕子 著

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まなざしの装置

定価本体2600円+税

発売日2018年9月19日

ISBN978-4-7917-7095-3

ファッションはいかに「女」を作り上げたか
雑誌、絵画、小説、パターン(型紙)、ディスプレイ、展覧会…多様なメディアの分析を通してファッションと「女性的なもの」の結びつきを明らかにし、「理想的女性像」が生み出されていくさまを鮮やかに描き出す、画期的なファッション論。

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【目次】

はじめに  ファッション史の相対化の試み
 一 ファッション研究および先行研究における問題の所在
  1-1 パリ中心主義の再検討——ファッションの受容に向けて
  1-2 デザイナー中心主義の再検討——女性ファッション史への問いかけ
  1-3 イデオロギーの鏡——メディアとしての雑誌・パターン・ディスプレイ
 二  本書の構成
 三  ファッションをめぐる表象へのまなざし

第一章 飾る女性 一九世紀前半における理想像の成立
 第一節 フィラデルフィア・ファッションと「良き女性」の表象
  1 『レディズ・ブック』と最新流行
  2 ヨーロッパ的レディとファッション
  3 妻として母として女主人としての女性
  4 「家庭人」のための装い
  5 フィラデルフィア・ファッションと「良き女性」

 第二節 ファッションの是非を問う——「正統なるファッション」とは何か
  1 『ゴーディズ・レディズ・ブック』とファッション
  2 ファッション・プレートの推進
  3 「反ファッション主義者」と女性読者
  4 物語におけるファッション批判とファッション・プレート擁護
  5 装飾絵画としてのファッション・プレート
  6 「正統なるファッション」とは
 飾る女性——他を飾り、自らを飾る

第二章 縫う女性 一九世紀半ばにおける女性像の変容
 第一節 産業革命とお針子像——イギリスを中心に
  1 ロンドンのお針子像
  2 お針子の実態はいかに言説化されたか
  3 絵画や小説におけるお針子
  4 裁縫への関心

 第二節 大西洋を渡るお針子像——アメリカにおける衣服産業の発展
  1 アメリカへの視点
  2 女工の誕生——農村から工場へ
  3 衣服産業の発展とお針子の実態
  4 女性誌の流通と中流階級

 第三節 「縫う女性」の表象——『ゴーディズ・レディズ・ブック』における
  1 お針子の出現
  2 「お針子になる」ということ
  3 「家事」として縫う女性
  4 「縫う女性」の消滅と裁縫の可視化
 縫う女性——針を持ち、服を作る

第三章 模る女性 一九世紀後半における流行受容の軌跡
 第一節 モデルに倣う——「パターン」の出現
  1 「パターン」と一九世紀アメリカ
  2 パターンはいかに表象されたのか
  3 専門店によるパターンと裁断法
  4 ファッション誌のパターン
  5 モデル/流行に倣う

 第二節 パターンによる流行受容——『ハーパーズ・バザー』を中心に
  1 初期『ハーパーズ・バザー』の重要性
  2 女性誌からファッション誌へ
  3 『ハーパーズ・バザー』のパターン
  4 パターンによるパリ・オートクチュールの受容
  5 パターン——身振りを模る
 模る女性——布を型取り、モデルに倣う

第四章 巡る女性 二〇世紀前半における女性像の回帰
 第一節 鏡としてのショーウィンドウ
  1 ファッションとディスプレイ
  2 店の窓からショーウィンドウへ
  3 ファッションの登場
  4 もう一人のわたし——蝋人形もしくはマネキン
  5 飾る「男性」——ウィンドウ・トリマーとディスプレイマン
  6 装飾的過剰から演劇的舞台へ

 第二節 ミュージアムのファッション展——イメージの反復
  1 もう一つのディスプレイ——「ファッション展」
  2 アメリカン・ファッションとミュージアム
  3 モデルとしての民族衣装
  4 「正統なる衣装(Authentic Costume)」展
  5 「作品」となる女性
  6 反復されるイメージ——二次元から三次元へ
 巡る女性——服をまなざし、己を見つめる

おわりに

 あとがき
 初出一覧
 参考文献

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[著者] 平芳裕子(ひらよし・ひろこ)

1972年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程単位取得退学。博士(学術)(神戸大学)。神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。専門は表象文化論・ファッション文化論。主な共著に『西洋近代の都市と芸術1 ローマ』(佐藤直樹編、竹林舎、2013年)、『相対性コムデギャルソン論』(西谷真理子編、フィルムアート社、2012年)他。