ヴァーチャル社会の〈哲学〉

-ビットコイン・VR・ポストトゥルース-

大黒岳彦 著

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ヴァーチャル社会の〈哲学〉

定価3,960円(本体3,600円)

発売日2018年12月20日

ISBN978-4-7917-7126-4

〈次なる真理(ポストトゥルース)〉という〈価値〉の確立が、情報社会の最重要課題である。
あらゆるものには意味がある。われわれを包囲する洪大な情報に、いまなにが起きているのか——。Amazon、ビットコイン、ブロックチェーン、VR、MR、そしてコミュ障まで、注目される現象の“深層”構造にせまる。これまで維持されてきた「現実」の一義性が失われ、ブレを示しはじめた社会の実相を、克明精到に分析、末節まで解き明かす。すべては真実(トゥルース)への予兆なのか? 現代情報哲学の金字塔。

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【目次】

0 はじめに

第一章 アマゾン・ロジスティックス革命と「物流」の終焉
1-1 アマゾンが目指すもの
1-2 〈流通〉の社会哲学

第二章 「モード」の終焉と記号の変容
2-1 モードの史的展開過程
2-2 モードから記号へ
2-3 モードと記号の変容

第三章 ビットコインの社会哲学
3-1 〈モノ〉と暗号
3-2 ビットコインにおける〈価値〉構成
3-3 社会vs国家

第四章 情報社会の〈こころ〉
4-1 「引き籠もり」から「コミュ障」へ
4-2 〈外部〉の消失と「相互行為」の現在
4-3 〈社会幻想〉と情報社会の〈こころ〉

第五章 身体データとコントロール社会
5-1 情報社会と監視
5-2 身体と〝監視〟
5-3 監視社会からコントロール社会へ

第六章 VR革命とリアリティの〈展相〉
6-1 VRの技術的次元
6-2 VRの社会的次元
6-3 VRの思想的次元

終 章 〈文書(ドキュメント)〉の存在論と〈ポストトゥルース〉問題
7-1 〈文書(ドキュメント)〉とは何か?
7-2 〈文書〉の社会的機能
7-3 〈文書〉世界の存立構造
7-4 〈ポストトゥルース〉という問題

後記

作品索引/人名索引/事項索引

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[著者] 大黒岳彦(だいこく・たけひこ)

1961年香川県生まれ。哲学者。東京大学教養学部卒業。同大学院理学系研究科(科学史・科学基礎論専攻)博士課程単位取得退学。1992年日本放送協会(NHK)に入局、番組制作ディレクターを務める。退職後、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専門は哲学、情報社会論。現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授。最新の技術革新を伝統的な人文科学と融合させて論じている。主な著書に『情報社会の〈哲学〉——グーグル・ビッグデータ・人工知能』(勁草書房)、『「情報社会」とは何か?——〈メディア〉論への前哨』(NTT出版)、『〈メディア〉の哲学——ルーマン社会システム論の射程と限界』(NTT出版)などがある。