ユリイカ2019年2月号 特集=吉本ばなな

-『キッチン』『TUGUMI』『デッドエンドの思い出』から「どくだみちゃんとふしばな」まで-

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ユリイカ2019年2月号 特集=吉本ばなな

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年1月28日

ISBN978-4-7917-0360-9

日韓合作映画『デッドエンドの思い出』の公開を機に、小説家・吉本ばななの魅力に迫る!
『キッチン』『TUGUMI』『白河夜船』から『アルゼンチンババア』『スナックちどり』、そしてnoteで連載中のエッセイ「どくだみちゃんとふしばな」まで、日常とアナザーワールドを架橋する“私たちの物語”を瑞々しくかつ丹念に紡いできた稀代の小説家、吉本ばなな。いまなお幅広い世代の心を救う作品世界の本髄にあるものは何か、日韓合作映画『デッドエンドの思い出』の公開を機にさまざまなアプローチから迫っていく特集号。

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【目次】

■私が出会った人々*38
故旧哀傷・和田茂子 / 中村稔

■詩
シロクマ解かし考 / 深沢レナ

 

特集*吉本ばなな――『キッチン』『TUGUMI』『デッドエンドの思い出』から「どくだみちゃんとふしばな」まで

 

■インタビュー
32年目の名人芸 / 吉本ばなな(聞き手=岩川ありさ)

■前略、ばななさん
略して「ばな感」について / 角田光代
ばななさんと僕 / 奈良美智
二〇一九年のばななさん / 飴屋法水

■吉本ばななの場所
迷いなく幸せを描くこと――「吉本ばなな」のふたつのデビュー作「ムーンライト・シャドウ」と『おとなになるってどんなこと?』 / 千野帽子
ぼんやりと考える――吉本ばなな初期作品と少女マンガ的雰囲気について / 大串尚代
「-ism」の変節と平成の断面について / さやわか
物語作家としての吉本ばななと私小説作家としての吉本ばなな / 中沢忠之

■日常とアナザーワールド
心の蓋(ふた) / 小巻亜矢
目に見えないけれど確かにあるもの / 奥平亜美衣
初めて会った日のばななちゃん / 内田春菊
「スピリチュアル」な身体性と「母」――吉本ばななはなぜフラを踊るのか / 橋迫瑞穂
おせっかいな「水の女」たち / 菊間晴子

■対談
小説と映画の幸福な出会い――映画『デッドエンドの思い出』公開記念対談 / 吉本ばなな×チェ・ヒョンヨン

■Memories of a Dead End
『デッドエンドの思い出』の思い出 / スヨン(少女時代)
映画『デッドエンドの思い出』が実現するまで / イ・ウンギョン
偶然と必然 / 木全純治

■吉本ばななからBanana Yoshimotoへ
韓国社会と吉本ばなな / すんみ
文学の根拠から越境する文学へ / 姜 竣
「文学の世界」に属するもの――イタリア語翻訳家の吉本ばなな考 / ジョルジョ・アミトラーノ

■ばななさんとわたしたち
つぐみのこと / 七尾旅人
カレーとばななさん / ユザーン
一生ものの友人 / 羽海野チカ
東京のお母さん / 渚(尼神インター)
ばななさんのこと / メイリン(ZOMBIE-CHANG)
ひみつの約束 / 戸田真琴

■“母”なるものとの距離
「母」からの自由と、女性同士の絆(シスターフッド) / 水無田気流
〈表れ〉の物語――『イルカ』における身体イメージとアイデンティティのゆくえ / 生方智子

■耳うちで語る愛
ばななさんの思い出 / はるな檸檬
ばななさん / 別府倫太郎
言葉の魔法 / 若木信吾

■食べることと書くこと
パイナップルの実――「キッチン」「満月」における植物のイメージ / 西原志保
「きっと、家族だからだよ」――吉本ばなな作品における食欲の源泉:noteエッセイ「どくだみちゃんとふしばな」シリーズを中心に / 三宅香帆


■今月の作品
舟橋空兎・白水ま衣・森ジュンイチ・市橋久生・町田理樹
選=水無田気流

■われ発見せり
「我慢」の地層 / 新居洋子

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