子育てが終わらない 新装版

-「30歳成人」時代の家族論-

小島貴子、斎藤環 著

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子育てが終わらない 新装版

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年2月22日

ISBN978-4-7917-7143-1

正しい「親」のやめかた
子どもが中高年になっても「子どもは子ども」。そんな親子関係でほんとうに大丈夫?ひきこもりの高齢化問題も深刻化するこの国で、これからの家族はどうあるべきか?第一線で活躍するキャリアカウンセラーと精神科医が徹底討論!

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【目次】

はじめに 小島貴子
新装版に寄せて 小島貴子

第1章 成熟について 肯定することからすべてははじまる
  子どもが30歳になるまで子育てを?!
  成熟するのに時間がかかる社会になった
  「成人」の定義が変わってきている
  親世代の意識も変わってきている
  ひきこもり支援の現実的な取り組みかた
  「気持ちを楽にする」というレッスン
  子どもと「くだらない会話」をすることこそが大事
  子どもに「助けて」と言ってみる
  本人をどういうふうに肯定するか
  「受けとめる」ことで成熟した会話が生まれる

第2章 夫婦関係について 小さなことから関係性を変えていく
  本人に自信をつけさせるにはどうしたらよいか
  ちょっとした変化に目を配る
  家を空けてみたら意外な変化が
  夫婦関係と親子関係
  「うちの子」と呼ぶことから変えていく
  夫婦単位で老後を生きることを考える
  非常時にも変化の機会がある

第3章 欲望について コミュニケーションでほんとうに大切なこと
  「根拠のない自信」をどう見るか
  親子間で「以心伝心」はしてはいけない
  問題解決のためにやってはいけない5つのこと
  話し合いがしやすくなる場のつくりかた
  「お願い」をするときは結果を期待しない
  親子関係ときょうだい関係
  〝何でもいい〟をやめる

第4章 自立について 子育てのタイムリミットと関係のメンテナンス
  他人を家に入れたがらない日本の家庭
  関係のメンテナンスをするという発想
  危機のときだけでなく平時のときもメンテナンスを
  子育てのタイムリミットを設定する
  いくつになったら自立させるべきか
  「考えなければならない」文化の子育て
  お金の話こそきちんとすべし
  夫婦間で人生のテーマを共有する

第5章 役割意識について 正しい「親」のやめかた
  ノンイベントという「石」にどう対処するか
  ネガティヴな出来事も学習の機会に
  日本的ダブルバインド
  子どもが自信を持てなくなってしまった社会
  「ヨコ」軸ではなく「タテ」軸で見る
  ひきこもりと性差の問題
  いまだに根強い古い男女観
  親子の役割が固定されてしまっている文化
  相手の意見を引きだす「提案」を
  親子セット文化のよい面と悪い面
  思春期以降のしつけは意味がない
  「契約」というかたちでの信頼関係
  子育ての節目に「引き算」を


おわりに 斎藤環
新装版に寄せて 斎藤環

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[著者] 小島貴子(こじま・たかこ)

1958年生まれ。キャリアカウンセラー。埼玉県庁職業訓練指導員、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任准教授などを経て、現在、東洋大学理工学部生体医工学科准教授。元埼玉県雇用・人材育成推進統括参与。キャリアカウンセリングのアプローチで就業困難者やひきこもりの支援を多数行っている。主な著書に『就職迷子の若者たち』(集英社新書)、『女50歳からの100歳人生の生き方』(さくら舎)、『美キャリア』(カナリアコミュニケーションズ)などがある。

[著者] 斎藤環(さいとう・たまき)

1961年生まれ。精神科医。筑波大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。爽風会佐々木病院診療部長を経て、現在、筑波大学社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、ラカン派精神分析学。「ひきこもり」問題の第一人者として臨床研究と支援を行っている。また、マンガやアニメ、映画などのサブカルチャー批評家としても知られる。主な著書に『生き延びるためのラカン』(ちくま文庫)、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川文庫)、『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』(ちくま文庫)などがある。