現代思想2019年4月号 特集=新移民時代

-入管法改正・技能実習生・外国人差別-

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
現代思想2019年4月号 特集=新移民時代

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年3月28日

ISBN978-4-7917-1379-0

入管法改正から見えてきた、移民/難民のリアル
昨年末に、出入国管理法の改正が成立した。本改正案によって、ますます「単純労働」とされる分野において、外国籍の方のさらなる就労が目指されることになる。われわれは、近くて遠い/遠くて近い外国人とともに、いかに暮らしていくことができるのか。法改正の問題点から、技能実習生・留学生の労働問題、入管における人権問題まで、多角的な視点から議論する。

line2.gif

【目次】

 

特集*新移民時代――入管法改正・技能実習生・外国人差別

 

【入管の実態から問う】
分断と暴力の外国人政策――入管収容施設の実態 / 平野雄吾 

【技能実習生/留学生】
「失踪」と呼ぶな――技能実習生のレジスタンス / 巣内尚子 
日本における南・東南アジア人留学生の進路――日本学生支援機構による調査の国別集計結果をもとに / 眞住優助

【入管をめぐるポリティクス】
新自由主義的移民政策の潮流の中で――日本の入管法改正を問う / 小井土彰宏 
「剥き出しの生」への縮減に抗して――非正規移民の生の保障をめぐる人権と人道 / 髙谷幸 

【差別をめぐって】
共生社会で求められる「相対的よそ者」の視点 / 森千香子 
「自由の侵害の不平等」を是正するために――二〇一八年入管法改定から差別禁止法の必要性をあらためて考える / 明戸隆浩 

【ジェンダーから問う】
「移住セックスワーカー」に対する暴力を防ぐには / 青山薫 
〈女性〉〈移民〉に有償家事労働を担わせるとき――再生産領域の国際分業としての国家戦略特区の家事労働者 / 定松文 
フィリピンと日本から考える「人間のメンテナンス」――移住ケア労働に日本が求めるものとは / 小ヶ谷千穂 

【国境と移動をめぐる思想】
国境の壁とテイコポリティクス / 川久保文紀 
「ぼくたちはすべてがほしい」――オペライズモ的「移民」論 / 北川眞也 

【歴史をたどり直す】
「フジヤマのトビウオ」とブラジル日系コロニアの戦後 / 乗松優 
「定住者」の視線を超えるために――移動者たちの生にむけて / 西亮太 

【攪乱される境界】
「日本人」と「外国人」の二分法を今改めて問い直す / 下地ローレンス吉孝 
「半歩」からの約束――帰属の政治とHAFU TALK(ハーフトーク)のメディア実践 / ケイン樹里安 

【共に生きることの只中へ】
街は生きていて、街に生かされていく――『ルポ 川崎』から考える、移民とも共に生きる社会 / 磯部涼 
地域で共に / 猪瀬浩平 

 

【新連載●造物主議論 〈建築〉──あるいはデミウルゴスの“構築”●第一回】
見取り図(一) / 磯崎新

【連載●科学者の散歩道●第五七回】
ポスト・コールドウォー――ソ連崩壊とSSC中止 / 佐藤文隆 

【研究手帖】
非在のエチカ / 小野文生