ユリイカ2019年5月号 特集=スパイク・リー

-『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』…ブラックムービーの新しい目覚め-

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ユリイカ2019年5月号 特集=スパイク・リー

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年4月27日

ISBN978-4-7917-0366-1

祝・第91回アカデミー賞脚色賞受賞!!
スパイク・リーがついにオスカーを獲った。わき起こった歓声と盟友サミュエル・L・ジャクソンとのだしぬけのハグのあと、スパイク・リーが語ったのは“われわれ”がここに至るまでの経緯――彼の祖母・ジミーの、そしてアメリカの黒人たちの歴史(HERstory)であった。同時にそれはブランフォード・マルサリス、スティーヴィー・ワンダー、パブリック・エネミー、プリンスのことでもある……スパイク・リーの映画において再生されるのは音楽の断片ではなく、連綿と続くブラックミュージックの歴史なのだ。『ドゥ・ザ・ライト・シング』から『マルコムX』、『25時』を経て、ついに『ブラック・クランズマン』でアカデミー賞脚色賞を受賞したスパイク・リーの軌跡を辿るとともに、アメリカ映画・音楽における〈黒さと想像力〉の源泉に迫る。

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【目次】

■私が出会った人々*41
故旧哀傷・大野正男 / 中村稔

■モノ・ローグmono.logue*4
ヴォルスの角材 / 菊地信義

■詩
彼女の出産 / 小野絵里華

 

特集*スパイク・リー――『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』『ブラック・クランズマン』…ブラックムービーの新しい目覚め

 

■Interview 1
映画というウェイクアップ・コール / スパイク・リー

■When the Moon-vie Waxes Red
あなたはスパイク・リー、私はブルース・リー / 綾戸智恵
スパイク・リーと星条旗 / 荒このみ

■The Location of BlacKkKlansman
人種がきこえる――実録なりすまし烈伝・コロラド篇 / 新田啓子
『ブラック・クランズマン』についての五片のノート / 篠儀直子
「稲妻(の速さ)で歴史を書く」――『國民の創生』と『ブラック・クランズマン』における引用、真実、歴史 / 高村峰生

■Interview 2
ラヴ&ヘイトのその先へ / SKY-HI(聞き手・構成=編集部)

■Can the Black Movie Sing?
21世紀のMr.ユニオシ――絶対的他者としての我々アジア系はどこへ向かうのか / 丸屋九兵衛
スパイク・リーとブラックムービーの軌跡――歴史的展開 / 杏レラト
スパイク・リーのヒップホップ的作劇法 / ダースレイダー
目覚まし装置としてのブラックスプロイテーション / 中田亮
「愛と憎しみの間で良心的な選択をしよう」――スパイク・リーとドナルド・トランプ / 堂本かおる
ポップ・アイコンとしてのスパイク・リー / 池城美菜子

■Cross Talk
鳴動するブラックムービー――スパイク・リーの革新と達成 / 小林雅明×渡辺志保

■The Wretched of the “Great America”
スパイク・リーにとってのヒップホップとは? / 小林雅明
『ブラック・クランズマン』へと至る、〈★=ブラック・スター〉が敷き詰められた血塗られたストリートのアーカイヴ / 上原輝樹
スモーキン・ウィズ・ザ・スパイク・リー・ジョインツ――過去と同時代を串刺しにする / 中村寛
「力」のための覚醒剤――スパイク・リーのために / 森元斎

■The World, the Text, and the Director
生涯「正しいこと」をしてきて、これからもし続ける正しい人〜スパイク・リー / 吉岡正晴
「Fuck you!」の記憶と共に / 松江哲明

■The Signifying Movie
彼/彼女らはいかにして主体化=服従化するのか?――スパイク・リーの初期作『スクール・デイズ』をめぐって / 北小路隆志
「正しい映像」を超えて――スパイク・リー作品における警察と人種 / 冨塚亮平
シスターとブラザーとセックス――ふたつの『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』の間で / 北村紗衣
スパイク・リーにおける脱アイデンティティ的連帯の可能性――『マルコムX』から『ブラック・クランズマン』へ / 阿部幸大

■Filmography
スパイク・リー主要作品解題 / 杏レラト

 

■今月の作品
菊谷浩至・江田つばき・ツチヤタカユキ・かるべまさひろ・ゆずりはすみれ / 選=水無田気流

■われ発見せり
ゲームとスポーツの狭間 / 加藤裕康

 

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