現代思想2019年7月号 特集=考現学とはなにか

-今和次郎から路上観察学、そして〈暮らし〉の時代へ-

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現代思想2019年7月号 特集=考現学とはなにか

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年6月28日

ISBN978-4-7917-1383-7

モノへのまなざしが描き出す〈暮らし〉の思想
道行くひとの靴や軒先のランプ、ハリガミからカケ茶碗まで……さまざまな〈モノ〉へのまなざしを通じて私たちの日常生活のかたちを描き出す、考現学という営み。今和次郎にはじまり現在へといたる多様な実践の系譜から、その尽きせぬ深さとひろがりをさぐり、アクチュアルな思想としての可能性を浮き彫りにする。

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【目次】

 

特集*考現学とはなにか――今和次郎から路上観察学、そして〈暮らし〉の時代へ

【討議】
あたかも数千年後のまなざしで――考現学と〈モノ〉への問い / 藤森照信+中谷礼仁

【考現学を画定する】
スケッチが拓く「いま」の博物学――考現学の理論とその継承 / 黒石いずみ
考現学の本願と方法的規準について / 佐藤健二
考現学、その方法的連鎖をめぐる断章――破門、生態学、小鳥居 / 菊地暁
思考ツールとしての考現学 / 石川初

【五感がとらえる〈現〉のかたち】
おれの「食の考現学」 / 遠藤哲夫
架空の通学路について / panpanya 
音の採集――「オーディオユニオン録音コンテスト」から見る一九七〇年代日本の音響技術文化 / 金子智太郎

【モノへのまなざしに潜むもの】
仮設住宅団地の考現学――ならびに死者がモノと言葉に残す痕跡について / 廣田龍平 
アーカイブ的統治とフェティシズムから考える考現学 / 田中雅一 
考現学と帝国主義――今和次郎の視線について / 逆井聡人 

【KULTURO DE MODERNOLOGIO】
トマソンの類型学――ポピュラー文化のなかの超芸術 / 佐藤守弘
メディアのなかの考現学――アカデミズムとジャーナリズム、エンターテインメントの狭間で / 飯田豊

【〈生活〉を思考すること】
「日常」を写すことの条件 / 阿部純
今和次郎の家政思想における「詩人」とは誰か / 野崎有以 
「多様性」からの批判精神――今和次郎の都市観察に関する考察 / 小野寺研太 
生活へのまなざし――考現学と民藝とその周辺 / 鞍田崇 

【考現学の浸透と越境】
二つのデザイン・サーヴェイ――考現学以後の建築とプロダクト・デザイン / 加島卓
大衆の観察/大衆による観察――一九三〇年代イギリスの考現学的実践 / 祐成保志 

 

【連載●デミウルゴス●第四回】
双制(デュアル・システム)(一) / 磯崎新

【連載●科学者の散歩道●第六〇回】
光陰者百代之過客――岡本と河合 / 佐藤文隆 

【特別掲載】
「痛いのは困る」から問う障害と社会 / 立岩真也+熊谷晋一郎

【研究手帖】
境界をつくらない平和 / 佐川徹