ユリイカ2019年9月臨時増刊号 総特集=遠藤ミチロウ

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ユリイカ2019年9月臨時増刊号 総特集=遠藤ミチロウ

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2019年8月9日

ISBN978-4-7917-0373-9

追悼・遠藤ミチロウ
遠藤ミチロウは血を吐くように時代を歌いつづけた。ザ・スターリン時代の「ロマンチスト」「STOP JAP」「負け犬」などに代表されるハードコアなパンクサウンド、ならびにニヒリスティックなアングラ的ライブパフォーマンス、90年代以降のアコースティック・ソロ活動と若手ミュージシャンとの協同、そして3.11後に初めて顧みた自らのルーツである福島をめぐる「プロジェクトFUKUSHIMA!」――ひとりのパンクロッカーの生涯に向き合う総特集号。

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【目次】

❖図版構成

遠藤ミチロウ写真館 (写真提供=遠藤ミチロウオフィス)
ザ・スターリンフライヤー集 (図版提供=遠藤ミチロウオフィス)

❖『全歌詞集』未収録詞
ぐるぐる廻って(1973) / 遠藤道郎

❖インタビュー

パンクの頭脳を探る旅――企画人・遠藤ミチロウの鋭い眼光をめぐって / PANTA(頭脳警察)(聞き手=編集部)
「ガガーリンのトモロヲってスターリンのミチロウの別名なんですか?」――八〇年代パンクシーンのなかの遠藤ミチロウ / 田口トモロヲ(聞き手=編集部)
過剰な省略と鋭敏な知性――遠藤ミチロウと仕事をすること / 丸尾末広(聞き手=編集部)
呪うことを加速させろ――遠藤ミチロウに寄せて / 灰野敬二(聞き手=編集部)

❖同じところで鳴っていた
すれ違ったまま共にいる / 友部正人
ミチロウさんのこと / JOJO広重(非常階段)
遠藤ミチロウさんのこと。 / 坂本弘道

❖駆け抜けていったもの
言葉は作られて、死んでくものだから、死んじゃったらもう、ないんだよ / 小野島大
ザ・スターリン解散からスターリン解散まで / 行川和彦
“アンプラグド・パンク”の展開で示した表現者としてのスジ / 志田歩
震災以降のミチロウが立ち返ったもの――盆踊り・民謡・東北的身体性 / 大石始

❖描かれたミチロウ
To From. 豚舎(ぶたごや)の少年、厠(かわや)の皇子(おうじ) 又は『シリウス物語』 / 宮西計三
遠藤ミチロウのこと / 平口広美
遠藤ミチロウさん / 古屋兎丸

❖再録対談
エンケン&ミチロウの今昔物語 / 遠藤ミチロウ×遠藤賢司
「持続あるのみ。やめたら、おしまい」 / 遠藤ミチロウ×吉本隆明

❖粘ついた熱狂の色
「日本のロック」~あの興奮した時代を鑑みる。 / 平野悠
ミチロウの“現象学” / 粉川哲夫
無口で能弁な人 / 一条さゆり
蜜蠟の赤 / 山崎春美

❖空を見上げれば
ミチロウの放ったピック / 松村正人
パンクス・ロマーナ / 鈴木創士

❖座談会
ミチロウさんの落とし物 / THE END(ナポレオン山岸+西村雄介+関根真理)

❖蠢く子種
怒りだけとは思えない圧倒的な負のパワー / 今井 寿(BUCK-TICK)
ミチロウさんの声 / 鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)
ミチロウさんとの出会いは“天国の扉”だった / 橋本美香
ふたつの面影 / 七尾旅人
奇跡の人 / 中尊寺まい(ベッド・イン)

❖対談
遠藤ミチロウの原点と到達点 / 地引雄一×菅野邦明

❖いつまでも残響が宿る
ミチロウさん、あなたの顔は忘れない / 奈良美智
光る雲と母なる山をめぐる歌が聞こえてきて / 和合亮一
夕焼けを眺めていた / 三角みづ紀
遠藤ミチロウさんのこと / 中川 敬(ソウル・フラワー・ユニオン)

❖南下と北上
北からやってきたザ・スターリン、北へ帰る遠藤ミチロウ――「上京者の歌謡史」のために / 輪島裕介
「中途半端さ」という故郷――遠藤ミチロウと「東北」 / 仁平政人
遠藤ミチロウを召喚せよ――寺山修司/遠藤ミチロウ/蜷川幸雄 / 梅山いつき

❖パンクとサブ・カルチャー
表現において「サブ・カルチャー」とは何か――カルチャーの瓦礫の中での遠藤ミチロウと吉本隆明 / 粟谷佳司
記号化へのあらがい / 南田勝也

❖資料
遠藤ミチロウ略年譜 / いぬん堂

 

装幀=松本弦人

表1写真=遠藤貴也 表2・表3写真=石垣章 表4写真=地引雄一

(提供=遠藤ミチロウオフィス)