現代思想2020年3月臨時増刊号 総特集=フェミニズムの現在

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現代思想2020年3月臨時増刊号 総特集=フェミニズムの現在

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2020年2月18日

ISBN978-4-7917-1394-3

多様な〈声〉を響かせるために
#MeTooやフラワーデモなどの社会運動、あるいは文芸やテレビドラマといったカルチャーのなかでも、フェミニズムの波はいま大きな高まりを見せている。本特集では、そこから広がる新たな可能性と課題の両面を多様な議論をつうじて見定めつつ、この波を一時の盛り上がりに留めることなく今後へとつなげていくための途を探る。

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【目次】

【The Past, Present and Future..】
分断と対峙し、連帯を模索する――日本のフェミニズムとネオリベラリズム / 菊地夏野+河野真太郎+田中東子
感じのいいフェミニズム?――ポピュラーなものをめぐる、わたしたちの両義性 / 田中東子
インターセクショナル・フェミニズムから/へ / 藤高和輝
波を読む――第四波フェミニズムと大衆文化 / 北村紗衣

【Feminism and Culture】
私たちを締め出さない物語 / ヤマシタトモコ 聞き手=岩川ありさ
現代の少女マンガとフェミニズム / トミヤマユキコ
「ギャル(文化)」と「正義」と「エンパワメント」――『GALS!』に憧れたすべてのギャルへ / 関根麻里恵
(トランス)女性の生活のなかの音楽――ジャネット・ジャクソン再考 / 鈴木みのり
恐怖のフェミニズム――「ポストフェミニズム」ホラー映画論 / 鷲谷花
非性器的センシュアリティを呼び戻すために――松浦理英子論序説 / 郷原佳以

【A Short Piece】
スタンダード・ナンバー / 瀬戸夏子

【Feminism and Politics: At the Grass Roots】
可視化するフェミニズムと見えない絶望――ポストフェミニズムにおける(再)節合に向けて / 菊地夏野
フェミニズムが日常を変えるために / 栗田隆子
合理的なパニック?――新自由主義による性の政治の読解に向けて / 羽生有希
被害者視点に欠けた日本の刑法の性犯罪規定 / 小川たまか
インターセクショナリティに開かれた場のために――ゆる・ふぇみカフェとふぇみ・ゼミの実践から / 熱田敬子+河庚希+梁・永山聡子
アナーカ・フェミニズムにおけるジン――ジンが教育/スペースであること / 村上潔

【Theories of the Third Wave】
成功した女性性の矛盾――第三波フェミニズム、ポストフェミニズム、そしてさまざまな「新しい」女性性 / シェリー・バジェオン(訳=芦部美和子、解題=河野真太郎)
ポストフォーディズムのジェンダー――「やりがいある仕事」、「リスク階級」と「自分自身の人生」 / アンジェラ・マクロビー(訳=中條千晴、解題=田中東子)

【Against the Divides】
二〇一〇年代ファッショナブル・フェミニズムの到達点と今後の展望――ポストフェミニストと新しいフェミニストの対立を越えて / 高橋幸
感情/情動のポリティクス / 飯田麻結
機嫌の悪い女たち、機嫌の悪い男たち――ポストフェミニズムにおける感情の取り締まり/ 河野真太郎
「(異性愛かつシスジェンダーの)男性がフェミニストであること」再々……考 / 川口遼
「女」の境界線を引きなおす――「ターフ」をめぐる対立を超えて / 千田有紀

【Feminism and Philosophy】
フェミニズムは哲学の遺産をどのように継承するのか――脱構築と女性的なものをめぐる思考 / 横田祐美子
ボーヴォワールから見るフェミニスト現象学 / 中村彩
現実に立ち向かうための分析フェミニズム / 木下頌子
少女の目に映るわたしたちが彼女のこの世界を信じる理由となるために――ドゥルーズのマゾッホ論からみるフェティシズムについて / 黒木萬代

【Talking About Our Bodies】
“キラキラ”と“その後”のためのフェミニズム / 貴戸理恵+鈴木涼美
身体を受け入れること、身体を手放すこと。――ボディポジティブは誰のために、そして誰を突き放すか。 / 藤嶋陽子
調査に見る美容整形の諸相 / 谷本奈穂

【A Short History】
女性視点の日本近現代史から見えるもの / 深澤真紀