ゾルゲを助けた医者

-安田徳太郎と〈悪人〉たち-

安田一郎 著

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ゾルゲを助けた医者

定価本体2200円+税

発売日2020年4月2日

ISBN978-4-7917-7257-5

忘れてはならない小さな歴史
小林多喜二の拷問死体を検分し、ゾルゲ事件で有罪判決を受けた町医者、安田徳太郎。京都大学を退き何度も検挙されながら、時代の一歩先を歩いていた行動の信念を支えたものは何だったのか。激動の日本で懸命に生きた人びとの貴重な証言。

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[目次]

はじめに

主な登場人物[附・関連家系図]

第一部 安田家のルーツ 京都花やしきの文化人たち

一、河内屋と花やしき
三条大橋の足袋屋・河内屋宇兵衛
河内屋の没落
花やしきと山本宣治
日露戦争
ワンプライス・ショップの破産
カナダ時代の山本宣治と社会主義
朝日新聞に載った花やしき(浮舟園)
長谷川時雨『美人伝』の山本たね

二、廃娼運動と祖母
女子教育の制度
あこがれの明治女学校
マリア・ルーズ号事件から廃娼へ
廃娼の闘士、久布白落実

三、不安定な時代〜大逆事件
閉塞の時代
臀肉切り
神秘への傾斜
済生会の設立
大逆事件と世間の反応

四、父の日記〜文学との訣別
古い日記
小説を読んだら退学だ
「遊蕩文学の撲滅」
少年の一人旅
明治天皇崩御
竹久夢二の記憶
カチューシャの唄
藤村は泣いていたか
飛行機が飛んだ
近松秋江――正宗白鳥のはなし
徳太郎少年が見た秋江
副島八十六のこと
父と山口誓子
代言人・脇田嘉一
嘉一と誓子と徳太郎

五、父母の結婚
今都ではやる結婚式の型
シュトラッツ、フロイトの翻訳
磯田多佳女と私

第二部 戦争の時代 ゾルゲを助けた医者

六、社会主義の医者
成金と米騒動
普通選挙と治安維持法――山本宣治の死
左翼を治療する医者、京都を去る
「ソヴェート友の会」結成
日ソ文化協会との分裂

七、弾圧の嵐
幼児期の記憶
共産党最高幹部の妻・丹野セツ
当時の中絶事情
スパイMの噂
モスクワに連れて行かれた女の子
岩田義道とスパイM
解党派
ヌーラン事件
フクロウの鳴く陸軍の町
青山回顧
徳太郎の検挙
岩田義道が殺された
今度は小林多喜二が殺された

八、二・二六事件から開戦へ
「昭和維新の歌」
雪の朝の反乱――二・二六事件
戦争へ
中学生と戦争
第二次世界大戦の勃発
淋疾の特効薬

九、ゾルゲ事件
安田一郎『週刊朝日』投稿欄から
ゾルゲの逮捕・取調べ
ゾルゲがスパイになるまで
日中両軍が衝突する
一見習軍医の従軍記
ゾルゲ諜報団
宮城与徳
医者は幇間
洩れた情報―御前会議
徳太郎の罪
父検挙後の生活
ゾルゲの訊問
「よう。先生来たね」
判決と弁護のこと

エピローグ 戦後の生活

参考文献
あとがきに代えて(編者のことば)

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[著者]安田一郎一(やすだ・いちろう)(1926~2017)

徳太郎の長男。元横浜市立大学文理学部教授。フロイト・ユングなどに関する著作・翻訳多数。

[編者]安田宏(やすだ・ひろし)(1960~)

一郎の次男。聖マリアンナ医科大学教授。