現代思想2020年6月号 特集=汎心論

-21世紀の心の哲学-

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現代思想2020年6月号 特集=汎心論

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2020年5月28日

ISBN978-4-7917-1398-1

万物に心は宿るのか――現代哲学の最新問題を追う
現在、「汎心論」つまり「生命のあるなしに関係なく、万物は心あるいは心に似た性質をもつ」という思想が復興しつつある。しかしそれは科学的世界像に背を向けるのではなく、いっそう合理的・科学的な自然主義の立場を求めるところに成立する、まさに21世紀の心の哲学なのだ。本特集では、国内外の代表的論者の主張とそれをめぐる論争を軸にすえながら、現代汎心論の本格的紹介を試みる。

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【目次】

 

特集*汎心論――21世紀の心の哲学

 

【インタビュー】
いま心を哲学する / 永井均 (聞き手=飯盛元章)

【現代汎心論の震源地】
組合せ問題(抄)――汎心論のとり組むべき課題 / D・J・チャーマーズ(訳・解題=山口 尚)
実在論的な一元論――なぜ物理主義は汎心論を含意するのか / G・ストローソン(訳・解題=大厩諒)
あらゆる事物は考える――汎心論と自然の形而上学 / I・H・グラント(訳・解題=中島 新)

【討議】
汎心論は再起動するか 髙村夏輝+鈴木貴之

【哲学史を訪ねて】
「汎心論」とウィリアム・ジェイムズ / 冲永宜司
ベルクソンの汎質論 / 平井靖史
ハーマン、ホワイトヘッドと汎心論――汎心論を再起動し、相関的循環をシャットダウンする / 飯盛元章
現象学的観念論と汎心論――フッサールの逡巡 / 植村玄輝

【自然科学から/への問いかけ】
二元論の向こう側を探る自然学のプログラム / 染谷昌義
石のチューリングテスト――思考する物質として生きること / 齋藤帆奈

【汎心論と汎神論のあわい】
付喪神と〈字霊〉――日本中世におけるアニミズムの偽装 / 尾形弘紀

 

【連載●科学者の散歩道●第六八回】 
解放されたのは 好奇心なのか?――フランシス・ベーコンの科学 / 佐藤文隆

【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第六回】
粉々になった同一哲学――西田幾多郎 / 浅沼光樹

【研究手帖】
天狗×AI×インタラクション / 松井哲也