現代思想2021年2月号 特集=精神医療の最前線

-コロナ時代の心のゆくえ-

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現代思想2021年2月号 特集=精神医療の最前線

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2021年1月27日

ISBN978-4-7917-1409-4

「一億総ひきこもり社会」から考える
人と対面し〈つながり〉を保つことが困難となったコロナ時代は、私たちにはいかなるメンタルヘルスの危機もたらしたのか。本特集においては臨床の現場に寄り添いながら、その実態を明らかにしていく。そしてまた、この時代における精神科医療・臨床心理の理論の最前線にも迫っていく。

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【目次】

 

特集*精神医療の最前線――コロナ時代の心のゆくえ


 

【討議】
セルフケア時代の精神医療と臨床心理 / 斎藤環+東畑開人 

【コロナ時代の臨床現場から】
コロナ禍の精神科外来と「日常」 / 松本卓也 
絶望のデータ化――デジタル精神医学の時代 / 北中淳子 

【歴史から捉える】
停止で紡ぎ出される夢が停止を惹き起こすために――中井久夫小論 / 小泉義之 
消えない抗不安薬――精神医療と鎮静の文化 / 櫛原克哉 

【グローバルな医療の現在】
ロックダウンと「ひきこもり」――新型コロナウィルスをめぐって / 古橋忠晃 
精神医学は大統領を診断するべきか?――ゴールドウォーター・ルールをめぐる論争 / 黒木俊秀 

【〈場〉とつながりをめぐって】
発明品としてのコミュニケーション――依存症から考える / 中村英代 
居場所とリズムのゆるみ / 村上靖彦 
コロナ禍と家族 / 貴戸理恵 
家族というゾンビ――E・デュルケーム『自殺論』を再訪する / 山田陽子 

【傷とトラウマ】
新型コロナ禍とトラウマについての時評――感染的─ 隣人的な倫理にむけて / 上尾真道 
誰が医療者を癒すのか――コロナ禍で浮き彫りになった医療者のsufferingに着目して / 鷹田佳典 
ファルマコン(薬=毒)――ジェンダー化された狂気の系譜とレジリエンスの政治 / 菊池美名子 

【対抗的な知の前線に向かって】
誰がエビデンスを作るのか――当事者の経験知を専門知と対等に扱う / 杉浦寛奈 
自立生活、その後の不自由――障害者自立生活運動の現在地から / 渡邉琢 
精神医療の官僚制と民主制・序説 / 熊倉陽介 

 

【連載●科学者の散歩道●第七四回】
アカデミーの役割と旧学術会議――「すばる」と「カミオカンデ」 / 佐藤文隆 

【連載●「戦後知」の超克●第六回】
思想家・鶴見俊輔の「期待」と「回想」上――その戦後思想的/現代思想的位相 / 成田龍一 

【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第一三回】
永遠回帰への脱根拠化――ドゥルーズ / 浅沼光樹 

【連載●タイミングの社会学●第四回】
立ち退きの時計 上――スクオッターの強制撤去をめぐって / 石岡丈昇 

 

【研究手帖】
選挙民主主義の二つの対抗馬 / 山口晃人