人は簡単には騙されない

-嘘と信用の認知科学-

ヒューゴ・メルシエ 著,高橋洋 訳

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人は簡単には騙されない

定価本体2800円+税

発売日2021年2月24日

ISBN978-4-7917-7364-0

スティーブン・ピンカー氏推薦!
“あまりに多くの科学者やジャーナリスト、そして一般読者は、人間は取り返しのつかないほど不合理で騙されやすいと結論づけている(もちろん、彼ら自身を除いて)。人間の合理性に関する研究の第一人者であるヒューゴ・メルシエは、人間に対するこうした手厳しい見方は早急であり、誇張されていると指摘する。 本書は、現代における魅力的で重要な一冊だ。”

人間は思ったよりも合理的?

心理学者や経済学者が口を揃えて指摘するほど、人間は不合理で騙されやすい生き物なのか? 嘘を見抜き、信用すべき情報を選び取るにはどうすればよいのか? 気鋭の認知科学者が、〈開かれた警戒メカニズム〉を手がかりに、数々の実験や言説の誤りを指摘し、定説をひっくり返す。詐欺やコマーシャル、デマ、プロパガンダ、フェイクに翻弄されることなく、ごまかしにあふれる現代を力強く生きていくためのサイエンス。

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[目次]

はじめに
人は簡単に騙される 人は簡単には騙されない 開かれた警戒メカニズム 本書の理解

第1章 人は簡単に騙される 
無条件の信用 騙されやすさの心理学 信じやすさの適応性 人は簡単に騙されない

第2章 コミュニケーションにおける警戒 
奇妙な行動をする動物たち 争いとコミュニケーションの進化 コミュニケーションの以外な失敗 コミュニケーションの意外な成功 コストがかかるシグナルをタダで発する方法 警戒の必要性

第3章 開かれた心の進化 
洗脳者とサブリミナル効果 読んだことは何でも信じないようにしたほうがよい 洗脳は何も洗い流さない

第4章 信念 
対立する意見の対処方法 妥当性チェックを超えて:議論 挑戦的な議論 直観が間違っていたら?

第5章 知識 
目撃者の優位性 信頼できる専門家 アインシュタインは修理工か? 理性的なヒツジ マジョリティの力に抗する 有能は能力検知

第6章 信用 
微表情 なぜうそを見破れないのか 手抜きと誠意 動機がものを言う 名声ゲーム 自信過剰は高くつく 誰を信用するべきかを判断する

第7章 情動
理性の内なる情念? 情動的警戒 伝染は受けはよくても誤解を招くたとえである 理性的な群衆

第8章 デマゴーグ、預言者、伝道師 
デマゴーグ 預言者 伝道師 

第9章 政治宣伝、選挙キャンペーン、広告 
政治宣伝 選挙キャンペーン 広告 大衆説得のパターン ではかくも間違った考えが蔓延しているのはなぜか?

第10章 興味をそそられるうわさ 
危機のうわさ 伝播するのはデマばかりではない 自発的なうわさの追跡 なぜデマを信じるのか? 抑えきれない好奇心 うわさに報いる 最低限のもっともらしさ 現実からの逃避 何をすべきか

第11章 循環報告から超自然信仰へ
情報源の遍在性 二次の隔たり 隠れた依存性 信者はなぜ信じていると言うのか? 何をすべきか?

第12章 魔女の自白と有用な愚行について 
魔女の驚くべき告白と狂気 信頼されるおべっか使いになる方法 自らの退路を断つ 何をすべきか?

第13章 フェイクニュースには効果がない 
誰もが血を流す 正当化の手段 どこから分断が生じるのか? 私たちの(というよりアメリカ人は)どの程度分断されているのか? 何をすべきか?

第14章 あさはかなグールー
非直観的な度合い 貴重なあさはかさ カリスマ的な権威? 評判の信用貸し 科学の受容 グールー効果 何をすべきか?

第15章 憤懣やるかたないわけ知り顔の輩と巧妙な詐欺師 
特定の陣営に肩入れする 見知らぬ人びと同士の信用 非合理な信用の効果 何をすべきか?

第16章 人は簡単には騙されない 
騙されやすくないのになぜ間違うことがあるのか? 騙されやすさをめぐる騙されやすさ 私の間違いはあなたの問題 もっと改善できる 脆弱な信用の連鎖

訳者あとがき 
巻末注 
参考文献 
索引

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[著者]ヒューゴ・メルシエ(Hugo Mercier)
フランスの認知科学者。パリの国立科学研究センター ジャン・ニコ研究所所属。共著にThe Enigma of Reason(Harverd University Press, 2019)。本書が初の単著。Ted Talks にスピーカーとして出演。

[訳者]高橋洋(たかはし・ひろし)
1960 年生まれ。同志社大学文学部文化学科卒(哲学及び倫理学専攻)。IT企業勤務を経て翻訳家。D・ホフマン『世界はありのままに見ることができない』E・カンデル『なぜ脳はアートがわかるのか』(以上、青土社)、L・F・バレット『情動はこうしてつくられる』、S・B・キャロル『セレンゲティ・ルール』(以上、紀伊國屋書店)、A・ダマシオ『進化の意外な順序』(白揚社)など、科学系の翻訳書多数。