個人的なことは社会的なこと

貴戸理恵 著

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個人的なことは社会的なこと

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2021年9月24日

ISBN978-4-7917-7413-5

それはあなた一人の問題じゃない。
ステイホーム、不登校、ひきこもり、コミュ障、ジェンダー、女らしさ・男らしさ、家事、子育て、外国人、就活、結婚、夫婦別姓、出産、保育、道徳教育、いじめ、差別、性暴力、居場所……。
その生きづらさの理由は、あなたの中にではなく、社会のほうにあるかもしれない。自分の大変さは、あの人の大変さと地続きかもしれない――。毎日のニュースをもう少し丁寧に、じっくり考え、足元から社会を変えてゆくための手がかりを探った、8年間の思考の記録。

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[目次]

はじめに 

若者の生きづらさは財産 
教育は万能ではない 
就職活動での生存戦略 
「リアル選挙」をもっと語ろう 
派遣拡大、どう批判するか? 
多様な「結婚」認める社会に 
発達障害、周りで受け止める 
子どもを守れる職場を 
「お客さまは神様」でいいのか 
「個性」、何か変
「差別」認識できる社会を 
これでは女性は輝けない 
学校の多様化、誰のため?  
個人情報、「変化する権利」を 
内定取り消しは女性差別 
対人関係の再考 
学びの場に多様性を 
「次世代に伝える」困難さ 
同性婚の制度化を 
小学生の英語教育の前に 
夫婦別姓、最高裁判断に期待
いじめ自殺対策を考える
「戦争反対」が意味するもの 
居場所の可能性 
フリースクール法案を考える 
出産で自由になれる社会を 
不登校、未然防止よりも…
怒りが連帯をつくる
保育の質と子どもの権利
どうする? 大学の私語
若者の権利は充足されたか
「生」の無条件の肯定、今こそ
不登校への「よい対応」
「コミュ障」なんて問題ない
生をさいなむ職場にNO
「体罰」、ホンネで対話を 
原発いじめ、「差別」の視点を
「ただ在る」ことの大切さ
「○活」の孤独 
「仕事のやりがい」にご注意
消失するモラトリアム 
道徳教育、大切なことは?
夏休み明け登校、無理せず
安倍教育政策を問いなおす
男女格差、どうする?
自己責任論を超えて
「#Me Too 」継続のために 
新時代の「男らしさ」へ
「弱者」の「敗者」化
子どもの安全、どう考える?
非正規社員に権利を
性暴力被害者に連帯を
世界は学校の外にも
古くて新しい管理教育
日常から考える外国人問題
出生前診断の是非を超えて
女性活躍、カギは家庭にも
「失われた世代」の声聞いて
上野祝辞の意図
ひきこもりへの対応
「夫婦別姓」の先へ
支援現場の暴力、直視して
学童保育の可能性
いじめは「みんな」の問題
PISA読解力、大人も必要
グレタさんに学ぼう
二分の一成人式
家族にも換気が必要?
オンライン居場所
教育は不要不急?
問題を起こす力
性的同意、他者の尊重が鍵
対面授業再開の課題
任命拒否問題と「知」の役割
「生きる力」の意味
「男だろ」への違和感
「適応指導」は時代遅れ
「生理の貧困」を考える
必要な能力、変わった?
足元から社会問題を考える 

おわりに

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[著者]貴戸理恵(きど・りえ)
1978 年生まれ。関西学院大学准教授。「生きづらさからの当事者研究会」コーディネーター。専門は社会学、「不登校の〈その後〉研究」。アデレード大学アジア研究学部博士課程修了(Ph.D)。著書に『不登校は終わらない―「選択」の物語から〈当事者〉の語りへ』(新曜社)、『女子読みのススメ』(岩波ジュニア新書)、『平成史 完全版』(共著、河出書房新社)、『「コミュ障」の社会学』(青土社)、『多様性との対話―ダイバーシティ推進が見えなくするもの』(共著、青弓社)など。