ユリイカ2021年11月号 特集=綿矢りさ

-『インストール』『蹴りたい背中』から『勝手にふるえてろ』『かわいそうだね?』、そして『生のみ生のままで』『オーラの発表会』へ…綿矢りさの20年-

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ユリイカ2021年11月号 特集=綿矢りさ

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2021年10月28日

ISBN978-4-7917-0408-8

作家デビュー20周年! 映画『ひらいて』10月22日公開
恋、あるいは誰もその呼び名を知らないような強く他者を想う気持ちが、ホラー短篇集『憤死』からSF作『大地のゲーム』まで、あらゆる綿矢作品の旋律を支えている。大九明子による実写映画化(『勝手にふるえてろ』[2017]、『私をくいとめて』[2020])がもたらした衝撃はいまなお記憶に新しいが、来たる10月22日には新鋭・首藤凜監督による映画『ひらいて』の公開が控えている。「インストール」での作家デビューから20周年を迎えた本年、新たな息吹を吹き込まれながら更新を続ける綿矢りさの作品世界の魅力に迫る。
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【目次】

特集*綿矢りさ——『インストール』『蹴りたい背中』から『勝手にふるえてろ』『かわいそうだね?』、そして『生のみ生のままで』『オーラの発表会』へ…綿矢りさの20年
 

❖インタビュー
二〇年を微睡む / 綿矢りさ 聞き手=倉本さおり

❖書き下ろしエッセイ
光陰綿矢の如し / 綿矢りさ

❖眼差しとの邂逅
繊細にして、大胆な——学生時代の綿矢りさ / 千葉俊二
フィーバーを相手に / 長嶋 有
鎮魂祭とマスク / 村田沙耶香
また暗いとこいこう / 青山七恵

❖座談会
意外と死なない私たち——綿矢りさ文学の映画化をめぐって / 綿矢りさ×大九明子×首藤 凜 司会・構成=羽佐田瑶子

❖アンケート
わたしと綿矢りさ / のん 松岡茉優 渡辺大知 山田杏奈

❖身体の向かう先
愛の強さ、映画の強さ / ゆっきゅん
初恋——「亜美ちゃんは美人」における〈奇跡〉をめぐって / 黒木萬代
『オーラの発表会』における逸れ続けるコミュニケーションの尊さ / 三木那由他
「脚」の行方——綿矢りさ作品における女性同性愛の変遷 / 水上 文

❖詩
続きを書いて / 文月悠光

❖ある日の綿矢さん
綿矢さんの走馬灯 / 辛酸なめ子
りさ氏がペニーワイズ / 犬山紙子
Dance with Wataya / 柚木麻子
卒業式の大行列 / 加藤千恵

❖イラスト/マンガ
Soil / 北澤平祐
勝手に孕んでろ / 今日マチ子
綿矢りささんの凄さについて / 小林エリカ

❖四コママンガ
実在はヤバい/うたかた/リバウンド/まようわー / 綿矢りさ

❖二〇年の足音
文学賞と作家 / 佐久間文子
恋愛小説家が問うモラルとは何か? / 中沢忠之
普通の人による、普通のネット時代 / さやわか
アップランする身体——『蹴りたい背中』論 / 矢口貢大

❖対談
ふたりの京——小説の言葉、会話の言葉 / 綿矢りさ×武田綾乃 聞き手=瀧井朝世

❖内界と外界
一人称小説を映像化すること——綿矢りさと大九明子 / 小谷瑛輔
大人になんかならないよ——綿矢りさ『勝手にふるえてろ』『しょうがの味は熱い』『私をくいとめて』が突きつけるクエスチョン / 泉谷 瞬
結婚をめぐる「憑依」——『しょうがの味は熱い』を読んで / 佐々木ののか
モラトリアムの舞台としての京都小説——『手のひらの京』論 / 三宅香帆
加齢の不安とそれへの処方箋——『意識のリボン』 / 倉田容子
綿矢さんの書き方、話し方、伝え方 / 笠井康平

❖資料
綿矢りさ主要作品解題 / 岡 英里奈+小泉由美子

 

❖忘れられぬ人々*1
故旧哀傷・遠藤麟一朗(一) / 中村 稔 

❖物語を食べる*10
家畜人は知性ある猿だとか(下) / 赤坂憲雄

❖詩
渡る蝶——モナーク・バタフライ / 野中美峰 

❖今月の作品
鎌田尚美・勝部信雄・為平澪・ピエルロモント・柏倉千加志・藤谷真実子 / 選=和合亮一

❖われ発見せり
いつもどこかに帰りたい / 増永菜生

 

表紙・目次・扉=北岡誠吾
表紙・特集扉写真=撮影:新潮社 青木登