ロボット工学者が考える「嫌なロボット」の作り方

-ヒューマンエージェントインタラクションの思想-

松井哲也 著

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ロボット工学者が考える「嫌なロボット」の作り方

定価2,420円(本体2,200円)

発売日2022年5月25日

ISBN978-4-7917-7479-1

本当にわかりあえるのか。わかりあってしまってよいのか。
「ロボットはきちんと操縦できるほうがいい」「AIは「正しい答え」を導いてくれるほうがいい」……そんな常識は打ち捨てて、「他者」としてのロボット/AIに対峙してみるとどうなるのか。人間とロボットとの本当のインタラクションを目指して描かれる、ロボット工学の新展開。

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[目次]

はじめに

第1章 他者の工学
1 HAI――他者の工学
2 HAIに至る道のり
3 日本のHAI

第2章 異類の工学
1 異類としてのロボット
2 「他者モデル」の登場
3 他者モデルと機心
4 人工知能・自然知能と他者モデル
5 「天然知能」HAIは可能か
6 信頼されるロボット・AI
7 「外部」に開いた信頼
8 他者モデルの敗北

第3章 異界への案内人としてのロボット
1 機械と異界
2 ロボットとは何者か
3 「天狗の仕業」
4 異界と外部
5 「説明可能AI」は可能なのか
6 「説明不可能」という可能性
7 イエスマンロボットはいらない

第4章 ロボットにとっての「信頼」
1 解を求めよ
2 HAIと信頼
3 意思のある機械
4 弱くない「他者」としてのロボット
5 ロボットは理解できてはいけない

第5章 「ロボット殺し」が切り開くHAI
1 再現性とコンテキスト問題
2 ロボットたちの失敗の歴史
3 王殺しとHAI
4 人類への告発者としてのロボット
5 期待は裏切られるべきものである

第6章 教室の中の天然知能的ロボット
1 不気味の谷はどこにある?
2 人工知能化する教育
3 論理vs感性という矛盾
4 「わかりあえる」「わかりあえない」を乗り越える

第7章 これからのHAIに向けて
1 HAIおよびロボットの課題
2 「擬人化」で全て解決できるのか
3 分析せず、ただ対峙する

おわりに

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[著者]松井哲也(まつい・てつや)

1985年生まれ。専門はヒューマンコンピュータインタラクション、認知科学、コミック工学。神戸大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻博士後期課程卒業(理学博士)。国立情報学研究所コンテンツ科学研究系特別研究員、成蹊大学理工学部情報科学科助教を経て、現在は大阪工業大学ロボット工学科特任講師。