井上円了 その仏教思想

竹村牧男 著

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井上円了 その仏教思想

定価3,960円(本体3,600円)

発売日2022年8月26日

ISBN978-4-7917-7496-8

仏教の復興と探究に一身を捧げた奮闘の軌跡
日本近代の人文学の発展に多大な貢献をなした井上円了。「私立哲学館」を創設し、五千回を超える全国巡講をなした教育者、あるいは西洋哲学を学び、超学際的視座から妖怪学を樹立した思想家というだけではなく、なによりも仏教思想の行く末を真剣に考えぬいた一仏教者であった。その仏教復興への情熱と行動の足跡を丹念にたどり、この偉大な先達が哲学的に究明した仏教思想の全貌をあきらかにする、画期的な円了論の誕生。

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[目次]

まえがき

第一章 井上円了と東本願寺
 
    Ⅰ 白川党の改革運動の頃まで
     はじめに
     円了の幼少時代
     明治初期の東本願寺の動向
     円了と東本願寺1――東京大学卒業まで
     円了と東本願寺2――「私立哲学館」開設のころ
     円了と東本願寺3――欧米視察と国内巡講
    Ⅱ 満之、専精と円了
     白川党宗門改革運動をめぐって
     改革運動以後の満之の動向
     専精と円了
     円了の最期

第二章 井上円了の仏教復興活動
     
はじめに
     明治期の仏教をとりまく環境
     円了の仏教復興への挑戦
     円了のキリスト教批判
     哲学に照らした仏教の評価
     仏教復興へ向けて諸宗派を統合・指導
     仏教各宗の根本的な改革を求める
     僧侶の人財育成を推進

第三章 井上円了の仏教観Ⅰ――概観
   
  はじめに
     円了の学位論文
     円了の仏教観の概要
     円了における仏教と哲学
     日本仏教への高い評価
     むすび

第四章 井上円了の仏教観Ⅱ――理論宗
     
はじめに
     倶舎宗について
     法相宗について
     三論宗について
     『大乗起信論』について
     天台宗について
     華厳宗について
     真言宗について

第五章 井上円了の仏教観Ⅲ――実際宗
    
 はじめに
     禅宗について
     日蓮宗について
     浄土教について

第六章 井上円了の真宗観
     
井上円了と真宗
     井上円了の真宗観――『真宗哲学序論』より
     第一 平等論について
     第二 感情によることについて
     第三 啓示を本とすることについて
     井上円了の真宗観――『仏教道しるべ』より
     西田幾多郎の真宗観
     真宗から現実社会へ
     井上円了の活動主義と真宗観
     むすびに代えて

第七章 井上円了の『仏教心理学』Ⅰ
    
 はじめに
     井上円了の心理学研究
     『仏教心理学』について
     仏教の心の分析
     心王と心所有法
     心所有法の内容
     心王と心所との相応関係
     心所有法と知情意との関係
     むすび

第八章 井上円了の『仏教心理学』Ⅱ
  
   はじめに――円了の「心体論」
     唯識と相対的唯心論
     『起信論』の絶対的唯心論
     天台の絶対的唯心論
     華厳宗、真言宗の心体論
     真如と方法の関係について――『起信論』と天台性悪説
     円了独自の真如一元論
     華厳宗の心理学
     真言宗の心理学
     広大な心を説く句

結章 井上円了の仏教思想

あとがき

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竹村牧男(たけむら・まきお)

一九四八年東京生まれ。一九七一年東京大学文学部卒業、七五年同大学院印度哲学専修博士課程中退。三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授、東洋大学学長を歴任。東洋大学名誉教授。専門は仏教学、宗教哲学。唯識思想研究で博士(文学)。著書に『唯識の構造』(春秋社、一九八五)、『華厳とは何か』(春秋社、二〇〇四)、『西田幾多郎と鈴木大拙』(大東出版社、二〇〇四)、『入門 哲学としての仏教』(講談社現代新書、二〇〇九)、『『大乗起信論』を読む』(春秋社、二〇一七)、『空海の哲学』(講談社現代新書、二〇二〇)、『空海の言語哲学』(春秋社、二〇二一)、『唯識・華厳・空海・西田』(青土社、二〇二一)『空海の究極へ』(青土社、二〇二二)ほか多数。