現代思想2023年5月号 特集=フェムテックを考える

-性・身体・技術の現在-

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現代思想2023年5月号 特集=フェムテックを考える

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2023年4月27日

ISBN978-4-7917-1446-9

「女性のためのテクノロジー」とは何か
企業や政府が喧伝する「女性活躍」の新騎手として、近年とみに耳目を集める「フェムテック」。リプロダクティブ・ジャスティスとの関係から、市場原理にもとづく自己責任論の強化、生物学的本質主義への回帰といった問題まで、さまざまな視点から広く検討することで、性・身体・科学技術のありうべき姿を模索したい。

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[目次]

 

特集*フェムテックを考える――性・身体・技術の現在


 

【討議Ⅰ】
政治・市場・運動のせめぎあう渦中から問う / 菊地夏野+標葉靖子+筒井晴香

【問われる倫理】
政策的関心の対象としての「フェムテック」とその倫理的課題 / 渡部麻衣子
フェムテックと「女性の健康」――誰のための研究開発か / 川崎唯史
その「フェムテック」は誰向けの製品なのか / 西條玲奈
「フェム」テックとトランスジェンダーの身体の接点――その可能性と限界について / 山田秀頌
「女性の健康」の隘路とフェムテック / 菅野摂子

【討議Ⅱ】
未来をえがく二つの技巧――〝無茶ぶり〟から問い、物語ることで〝脅し〟続ける / 高野ひと深+長谷川愛

【生活する身体の声】
戦いとしてのセルフケア / S・アーメッド/浅沼優子訳
がんサバイバーシップにみられる「私」の回復過程と葛藤――表現によるセルフトランセンデンスの促進 /佐々木加奈子
CoCo 壱と国鉄――あるいは野良のフェムテック / 仲西森奈
国家に抗するフェムテック / 横田祐美子
痛みを感じる身体、変容する身体――『TITANE /チタン』(二〇二一年)を例に / 関根麻里恵

【技術と規範を攪乱する】
「情報の神殿」としての女性たち / 田中東子
フェムテックにフェミニズムを取り戻す / 飯田麻結
現代アメリカにおけるSNSフェミニズムからフェムテックを考える / 井口裕紀子
フェムテックの生政治とジェンダーポリティクス / 佐々木香織
テクノロジーとスピリチュアリティの〈あいだ〉――女性・身体・モノ / 橋迫瑞穂
「ヒーブ」とフェムテックのあいだ――働く女性をケアするのは誰か / 満薗勇

【いくつもの性の歴史】
キリスト教性倫理における「生殖」の位置 / 朝香知己
月経周期研究からフェムテックへ――その歴史的展開 / 横山美和
フェムテックから月経教育を問う / 杉田映理
男性の視点から見た生殖――「生殖医療は女性を救うのか」という問いを逆照射するもの / 日比野由利
女性の人生設計が変わる?――卵子凍結保存がもたらす社会への影響と課題 / 久具宏司

 

【連載●科学者の散歩道●第九二回】
エントロピーと主体の参加――エディントンの二種類の法則 / 佐藤文隆

【連載●「戦後知」の超克●第二八回】
柄谷行人における「世界史」の問い方 11――その「起源」と「構造」 / 成田龍一

【連載●社会は生きている●第一〇回】
主体の生態社会学 8――動物と人間 / 山下祐介

 

【研究手帖】
沈黙の顔 / 戸坂明日香