現代思想2023年11月号 特集=〈水〉を考える

-水文学、河川工学から水中考古学まで-

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現代思想2023年11月号 特集=〈水〉を考える

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2023年10月26日

ISBN978-4-7917-1454-4

「水の惑星」をめぐるさまざまな思索と実践
激甚災害とも称される大水害が多発する昨今、水との関わり方は生存に深く根ざす課題として迫っている。本特集では、こうした喫緊の問題に向き合いながら、水の総合科学である水文学から環境倫理、考古学や文化人類学といったさまざまな領域から、水を治める/と共に生きることを問う。

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[目次]

 

特集*〈水〉を考える――水文学、河川工学から水中考古学まで

 

【討議】
意味ある〈水〉を取り戻すために――水の科学と作法のゆくえ / 蔵治光一郎+福永真弓

【〈水〉は誰のものか】
水を育む / 永野三智
「ALPS処理水の海洋放出」政策にある不備を検証する――問題は「新たな風評被害」だけなのか              / 濱田武士
誰が水の安全保障を破壊するのか――「水の武器化」をめぐる国際人道法の課題からの考察 / 玉井良尚

【治水の現場から問う】
総合治水対策から流域治水へ・鶴見川からの発信 / 岸由二
自然と共生する「治水」への期待――「民衆の自然観」の消失と「国家の自然観」の浸透 /大熊孝
「流域治水」導入期にみる市民活動と参加・協働の来歴――ガバナンスは根づいたのか? / 帯谷博明
流域治水は「誰ひとり取り残さない」を実現できるか / 保屋野初子
熊本県で進む流域治水研究の思想と実装      / 島谷幸宏

水の記憶を伝える】
鯨捕りの娘たちとその家(イエ)、そのまち / 松田法子
水害の記憶――継承という視点から / 谷端郷
治水の記憶と伝存史料――「宝暦治水」をめぐって / 石川寛

【水と暮らす】
循環する水の身体の都市   / 石川初
水から考える新しいパスのつくり方 / 家成俊勝
流域的思考の拡張――見沼田んぼからの思索 / 猪瀬浩平
水の思想 / 森元斎

【水の惑星を廻る】
人と水の相互作用の科学――社会水文学の誕生と経過 / 中村晋一郎
災害と水中考古学 / 佐々木ランディ
水と山と歩くこと――ヒマラヤと水の物質性をめぐる断想 / 古川不可知
地球環境が維持される仕組みの解明をめざして――森林における物質循環をはかる / 坂部綾香
循環する水と変化する土   / 藤井一至

【資料】
日本の流域レポート / 栁川久(十勝川中流部市民協働会議)・渡辺洋子(八ッ場あしたの会)・渡辺剛弘(善福寺川を里川にカエル会)・柳川三郎(金目川水系流域ネットワーク)・一色健司(流域圏学会)・松尾一四(NPO法人遠賀川流域住民の会)・駄田井正(NPO法人筑後川流域連携倶楽部)・松富士将和(矢部川をつなぐ会)・堤裕昭(不知火海・球磨川流域圏学会)

 

【連載●科学者の散歩●第九七回】
量子力学に見る科学と鑑賞――ポスト・「サイエンス・ウォー」の風景 / 佐藤文隆

【連載●「戦後知」の超克●第三四回】
見田宗介の「近代」と「現代」6 / 成田龍一

【連載●社会は生きている●第一五回】
環境とシステム 1――境界がもたらすもの / 山下祐介

【研究手帖】
言葉、それでもなお / 石野慶一