現代思想2024年1月臨時増刊号 総特集=カフカ

-没後一〇〇年-

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現代思想2024年1月臨時増刊号 総特集=カフカ

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2023年12月11日

ISBN978-4-7917-1457-5

文学と思想が溶けあう彼方
誰もがカフカを知っている。しかし私たちは本当にカフカのことを知っているのだろうか。文学者としてのカフカ、思想家としてのカフカ、むしろ何者でもないカフカ。本特集では没後100年を機に、いまだ汲み尽くされないカフカの文学的想像力と思想的意義を解き明かす。

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【目次】

 

総特集*カフカ――没後一〇〇年

 

◉討議  
不安と孤独のディアスポラ 〈幸福な人間〉が前提の世界で / 頭木弘樹+川島隆

◉マンガ
カフカの「掟の門前」 / 森泉岳土
断食・変身 / 西岡兄妹

◉ある出会いの記録
カフカと「西」のベルリン / 平出隆
カフカの音楽 / 山村浩二
こんなに本当のことが / 小山田浩子
Kについて / 上田岳弘

◉文学への窓
おどらでくノ声(コエ)——カフカのかたみ / 田中純
カフカと恥の忘失 / 池田浩士
遅刻への準備 / 大宮勘一郎

◉ある男の研究
一九一七年のカフカ——ボルツァーノとアインシュタインを引照して / 平野嘉彦
カフカの耳鳴り——書くこと、住むこと、聞こえること / 乗松亨平
不条理リアリズムの可能性——「田舎医者」と歴史学 / 福元健之
人間の顔をしたカフカ——プラハの季節、その不可逆性 / 中井杏奈
カフカ、大西洋を跨ぐ——フランツ・カフカのスペイン語世界における遍歴 / 富田広樹

◉哲学の門をたたく
〈カフカを読む〉ということ——モーリス・ブランショの«Sache selbst» / 市田良彦
時間の歪みとカフカ / 宇野邦一
「私のなかのサンチョ・パンサ」——ジークフリート・クラカウアーのカフカ受容 / 竹峰義和
人権の門前で——アーレントとカフカの「場所喪失 placeless」という不条理 / 二井彬緒
犬のように死んだのは誰か——カミュ「カフカ作品における希望と不条理」へのノート / 渡辺惟央
ヴェイユからカフカへ——世界の触感をめぐって / 今村純子
カフカとキェルケゴール——実存の狂気と、この世界への愛 / 鈴木祐丞
K、論理、そして『論考』 / 荒畑靖宏

◉資料
プラハでカフカの足跡を訪ねる(監修=川島隆、イラスト=西尾宇広)

◉現代の城にて
長城とバベル / 四方田犬彦
カフカ的牢獄、日本的密室、カフカ的二一世紀 / 福嶋亮大
『変身』に見る身体の現象学 / 森岡正博
終わりかい / 永井玲衣
カフカ、官僚文学のために / 藤原辰史
カフカと友達 / 髙山花子
存在、絶望の万華鏡——『城』へ応答する / 小林康夫

◉人間の問題
裏切られた墓碑銘——動物・階段・夢 / 生田武志
ミレナ・イェセンスカーのモード記事——想定する読者とジェンダー論 / 半田幸子
沈潜していく神性とカフカのノン・ヒューマン——「新しい弁護士」、「ポセイドン」 / 山尾涼
歯車たちにかけられているカフカ / 串田純一
変身から異世界転生へ——カフカ、ドゥルーズ+ガタリ、マラブー、メイヤスーをめぐって / 飯盛元章

◉虚構について
カフカ、「笑い」のサルトグラフィー / 斎藤環
開いている門は開いているし閉まっている門は閉まっている——カフカと千鳥の演劇的な行き詰まり / 大岩雄典
ある俳優の彷徨 / 渡辺健一郎
異質な間柄——カフカと映画再考 / 吉田眸
追放! 追放! 追放! そして……、解放?——ユイレ&ストローブのカフカ映画『階級関係』の最後の風景 / 持田睦
クリティカル・リアリズムのカフカ——ミヒャエル・ハネケによる『城』 / 益敏郎

◉書く人との対話
没後一〇〇年のカフカ・テクスト——没後七〇年からの編集をめぐる葛藤 / 明星聖子

 

【お詫びと訂正】
『現代思想』2024年1月臨時増刊号「カフカ 没後一〇〇年」特集内、生田武志さまの論考中(317頁)に誤りがございました。

誤 (…)いまや「しゃきっと背筋を伸ばしている」最後の文で(…)
正 (…)いまや「しゃきっと背筋を伸ばしている」父親、最後の文で(…)

お詫びの上、訂正いたします。