闘争のインターセクショナリティ

-森崎和江と戦後思想史-

大畑凜 著

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闘争のインターセクショナリティ

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2024年4月25日

ISBN978-4-7917-7642-9

出逢い、聞き、書き記す
森崎和江の仕事をまなざすと、その思想にインターセクショナリティの萌芽を見出すことができる。フェミニズムやポストコロニアル思想などの系譜を繙くことで浮かび上がるものは何か。戦後思想史を更新する、俊英による画期の書。

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[目次]

はしがき

第一章 翻訳としての聞き書き――『まっくら』というはじまりについて
はじめに
一 『サークル村』と女たち
二 母たち、娘たち
三 翻訳と呼びかけ
おわりに

第二章 非所有を所有する、あるいは女たちの新しい家
はじめに
一 一九六〇年前後の筑豊と森崎和江
二 非所有の所有
三 隣家の「美学」と新しい家
おわりに

第三章 流民を書く、土地とともに書く――労働力流動化と〈運動以後〉の時代に
はじめに
一 労働力流動化の時代に
二 筑豊と流民
三 運動以後、運動以前
おわりに

第四章 抵抗の地図――沖縄闘争と筑豊
はじめに
一 「おきなわを考える会」の沖縄闘争
二 森崎和江の沖縄論
三 節合(アーティキュレーション)、呼びかけ、抵抗の地図
おわりに

第五章 「ふるさと」の「幻想」――流民としての「からゆきさん」をめぐって
はじめに
一 交差点、結節点、終着点
二 「アジア体験」の意味
三 「故郷」と「ふるさと」のあいだ――「力」としての「幻想」
おわりに

第六章 方法としての人質――あるいは「自由」をめぐって
はじめに
一 近代的個人とその隘路
二 「関係の思想」もしくは人質
三 人質の自由
おわりに

終 章 森崎和江を書き継ぐ
はじめに
一 〈集団〉としての森崎和江
二 それぞれの継承について――藤本和子、山岡強一、近田洋一
三 言葉を差し戻す

あとがき
索引

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[著者] 大畑凜(おおはた・りん)
1993年生まれ。専攻は社会思想、戦後思想。大阪府立大学大学院単位取得退学。博士(人間科学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD、大阪大学特任研究員。共著に『軍事的暴力を問う』(青弓社)、共訳に、デイヴィッド・ライアン『ジーザス・イン・ディズニーランド』(新教出版社)がある。