暗黒の形而上学

-触れられない世界の哲学-

飯盛元章 著

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暗黒の形而上学

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2024年4月25日

ISBN978-4-7917-7640-5

私たちは世界の5%も理解できない
この世界にはわかるものよりわからないもののほうが多く、触れられるものより触れられないもののほうが圧倒的に多い。ホワイトヘッド、ハーマン、メイヤスー、ラトゥール、マラブー……最前線の思想を補助線に、闇に包まれた世界のなかで生きる私たちのために描き出される現代形而上学。

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[目次]

プロローグ 世界は触れられなさで満ちている
  1 本書の内容について──暗黒の形而上学
  2 本書の方法について──哲学はスイングバイによって思考の深宇宙へ飛び立つ


I わたしたちはすべてを認識できない──断絶

第1章 関係の糸を引き裂き、自由な存在を撒き散らせ
  1 ムスビと乗り換え
  2 「無縁」の原理──無縁・公界(くがい)・楽(らく)・ヤックル
  3 空虚に封じられた非関係的実在

第2章 ホワイトヘッド哲学最速入門
  1 マイナー哲学としてのホワイトヘッド哲学
  2 ホワイトヘッド哲学最速入門──連続のほうへ
  3 ホワイトヘッド哲学に潜む四つの断絶──断絶のほうへ

第3章 ようこそ!狂気の怪奇オブジェクト空間へ──ハーマン入門
  1 怪奇的な対象で満ちた世界
  2 狂った観者になる

第4章 関係と無関係、あるいは美と崇高──ホワイトヘッドとハーマンの形而上学
  1 野蛮な侵犯者としてのホワイトヘッドとハーマン
  2 ホワイトヘッドの有機体の哲学
  3 ハーマンのオブジェクト指向哲学
  4 より崇高なる崇高のほうへ

第5章 思弁的実在論は闇を光に転化させてしまう──ベンスーザン『指標主義』のブックガイド
  1 著者ヒラン・ベンスーザンと『指標主義』について
  2 指標主義 vs.実体主義──他者の形而上学へ
  3 思弁的実在論批判
  4 レヴィナス×ホワイトヘッド──汎知覚論へ
  5 逆説的形而上学、ポスト思弁へ
   note ベンスーザン『指標主義』をめぐって(第5章への追記)

 

Ⅱ 「法則」の外はとつじょ到来する──破壊

第6章 哲学はなぜ世界の崩壊の快楽を探究してしまうのか──パンデミックから破壊の形而上学へ

   note 破壊性へ──メイヤスーの「絶対的偶然性」とハーマンの「汲みつくせなさ」について

第7章 非ネットワーク的外部へ──ラトゥール、ホワイトヘッド、ハーマンから、破壊の形而上学へ
  1 方法と形而上学的モデル
  2 存在者のネットワーク性──ラトゥールとホワイトヘッド
  3 非ネットワーク的外部へ──ハーマン
  4 さらなる非ネットワーク的外部へ──破壊の形而上学
   note 破壊の形而上学 基本テーゼ(ver. 0.91)

第8章 ディグ的、あるいはスイングバイ的読解
  1 永井均『私・今・そして神──開闢の哲学』
  2 永井均『遺稿焼却問題』
  3 マーク・フィッシャー『ポスト資本主義の欲望』
  4 デイヴィッド・J・チャーマーズ『リアリティ+』
  5 ブリュノ・ラトゥール『パストゥールあるいは微生物の戦争と平和、ならびに「非還元」』
   note 過剰創発宇宙

第9章 闇堕ちの哲学──怒りのダークサイド試論
  1 理性的で未来志向の怒り?
  2 怒り・変身・闇堕ち
  3 純粋な怒りと純粋な赦し

第10章 変身から異世界転生へ──カフカ、ドゥルーズ+ガタリ、マラブー、メイヤスーをめぐって
  1 ふたつの変身──サルとグレゴール
  2 ふたつの檻──意味的檻と物質的檻
  3 「破壊」概念の破壊──破壊的可塑性から〈あらゆるものを破壊しうる時間〉へ
  4 「変身」概念の変身──変身から異世界転生へ


エピローグ 破壊の形而上学、略してMOD(モッド)の全面的展開へ向けて

 

あとがき/初出一覧/索引

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[著者] 飯盛元章(いいもり・もとあき)
1981年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業、中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。博士(哲学)。現在、中央大学兼任講師。ホワイトヘッド、ハーマン、メイヤスーなどを中心に現代形而上学を研究している。著書に『連続と断絶――ホワイトヘッドの哲学』(人文書院、2020年)、共訳・共著書に『メルロ=ポンティ 哲学者事典 第二巻・第三巻・別巻』(白水社、2017年)がある。