ユリイカ2024年9月号 特集=石

-寡黙の極にある美-

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ユリイカ2024年9月号 特集=石

定価1,870円(本体1,700円)

発売日2024年8月27日

ISBN978-4-7917-0452-1

石、それそのものの魅力を照らす
ひっそりとした佇まいで、ただそこにある石。そのすべての石の記憶は生命体が経験してきた領域をはるかに越え、地球の形成にまで遡り、さらにはそれ以前の太古の星たちの誕生にまで到達している。人間の営みがどれだけ積み重ねられようとも、河原に転がる小石一つの歴史に到底追いつくことはない。だからこそ、人々がたくましくする想像、飽くなき探求はとどまることを知らない。石が個別に有する悠遠な時間、そのすがたに差し向けられた多様なまなざしが織りなす石特集。

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特集*石――寡黙の極にある美

❖対談
石のあるところへ / 宮田珠己╳山田英春

❖石に誘われて
石のなかの色とかたち / 山田英春
驚くべきもの、ただそこにあるだけ。 / 德井いつこ

❖石との追憶
擬態する石 / 長野まゆみ
ころがるいしのおと / いしいしんじ
石の夢――『プリニウスの博物誌』と私 / 石井ゆかり

❖拾い上げられたもの
海岸、または宇宙 / 小内光
石を拾う、ひとり / 牛山茉優
『石がある』 / 太田達成

❖カラー口絵
石のなかの色とかたち――図版篇 / 山田英春
石の旅、海の思い出 / 石の人

❖イラスト
Gleam / はしゃ

❖希求される石
新宿ビッグ・マイン「TIMA(東京国際ミネラル協会)」 / 林一樟
“石”は芸術か? / 立畑健児

❖展開図をひろげる
石からの卒業・石への回帰 / 田中陵二
岩石から宇宙の何が分かるのか / 臼井寛裕

❖来歴と行方
小石にひろがる宇宙、宇宙から落ちてきた小石 / 江口あとか
化石とは何か――人類と化石の文化史・古生物学の研究史から探る / 相場大佑
敵意を持った大地の上で生き延びること――人新世における人間と / 橋爪太作

❖繰り出されるこの石
石の選択について / 石花ちとく
石すもうジレンマ / 大宜見由布

❖インタビュー
石は石にしか見えない / 内藤礼 聞き手=編集部

❖衝撃を感触にかえて
石を割る / 大和田俊
結びながらほどけている――石を綱(つな)と棒で運ぶには / 山内朋樹
心身の石 / 湯田冴

❖詩
石の子 / 青柳菜摘

❖鉱物の手ざわり
鉱物コレクターとしてのゲーテ / 石原あえか
ラピス・エレクトリクス――あるいは、孤独なラジオの夢想 / 奥村大介

❖輪郭に目を凝らす
石探しの営為と宮沢賢治 / 柴山元彦
「石」にしがみつくという生業 / 菊地敏之
城郭石材の採石 / 高田祐一

❖造形美のジレンマ
それぞれの沼――石と宝石とジュエリーと / 秋山真樹子
石をつくる / 本多沙映
「1300年持ち歩かれた、なんでもない石」について / 雨宮庸介

❖石の影にふれる
パワーストーンのパワーを求めて――パワーストーンのパワーって何? / 北出幸男
世界の巨石信仰 / 須田郡司
行き場をなくした石と写真 / 小髙美穂

❖読まれる・書かれる石
石を知るためのブックガイド――探索・鑑賞・歴史篇 / 山田英春
鉱石の幻想、あるいは幻想の鉱石――ブックガイド・創作篇 / 大久保ゆう

 

❖忘れられぬ人々*35
故旧哀傷・高野仁太郎 / 中村稔

❖物語を食べる*42
かーいぶつ、だーれだ、という声(下) / 赤坂憲雄

❖詩
光の失語 / 望月遊馬

❖今月の作品
湖中千絵・渡辺八畳・三浦賢水・木下太尾 / 選=井坂洋子

❖われ発見せり
においを通じて自分自身を見出すとき / 齋藤由佳

 

表紙・目次・扉=北岡誠吾
表紙写真=石の人/山田英春