定価2,420円(本体2,200円)
発売日2024年12月25日
ISBN978-4-7917-7688-7
真理はわからないが、これだけは断言できる
この本を読むために生まれてよかった
――飲茶(『史上最強の哲学入門』ほか)
反出生主義。「生殖をすべきではない」という思想。怖そうだけど、実は優しさでできている。すでに親になってる人は、怒られている気がするかもしれない。でも小島先生はたぶん「子どもは何にも悪くないのだから、優しくしてね」と言いたいだけだ。
――ネオ高等遊民(哲学YouTuber)
[目次]
はじめに
Ⅰ 反出生主義にふみ込む前に
1 なぜこの本を読むときに倫理の問題を考えなければならないのか?
2 中絶は不道徳か否か?
3 未来への責任はあるか?
Ⅱ 「生まれてこないほうが良かった」とはどのようなことか?――ベネターの思想を読み解く
1 『生まれてこないほうが良かった』全体の構成
2 可能的存在についての価値判断
3 基本的非対称性とその説明力
4 快が苦を打ち消せばいいのではないかという反論
5 人生の質の評価と世界における苦痛
6 子どもを作る権利について
7 妊娠中絶賛成派
8 段階的絶滅
9 子どもを持たないことへの偏見とベネターの思い
Ⅲ 反出生主義について考えるうえで重要なこと
1 『生まれてこないほうが良かった』がミソジニーである理由
2 自殺について
3 親を責めても良いのか?
4 子どもを作っては絶対にいけないのか?
5 「始める価値」と「続ける価値」の違いをベネターが強調しない理由
6 パズル解きか実存的な自分の問題か?
7 反出生主義と教育、それと養子について
おわりに 不可知論と反-出生奨励主義
あとがき
文献案内
[著者]小島和男(こじま・かずお)
学習院大学文学部哲学科教授。学習院大学文学部哲学科卒業、同大大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。博士(哲学)。専門はギリシャ哲学、反出生主義。著書に『プラトンの描いたソクラテス』(晃洋書房)、共著に『面白いほどよくわかるギリシャ哲学』(日本文芸社)、『西洋哲学の10冊』(岩波書店)など。共訳書にデイヴィッド・ベネター著『生まれてこないほうが良かった』(すずさわ書店)がある。