現代思想2025年2月号 特集=国連の未来

-戦後80年、国際社会のゆくえ-

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現代思想2025年2月号 特集=国連の未来

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2025年1月27日

ISBN978-4-7917-1477-3

〈世界平和〉はなおも可能か
いま、国際連合の役割がかつてないほど問われている。国際法が堂々と蹂躙されるさまを前に「国連は機能しているのか」という疑念も根強い。それでもなお「国際法違反」という宣告はセンセーショナルに受け止められ、さまざまな国連機関はわたしたちの日々の暮らしと交差している。戦後80年という節目を機に、「国際の平和と安全」のゆくえに刮目する。

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[目次]

 

特集*国連の未来――戦後80年、国際社会のゆくえ

 

【討議】
世界を目覚めさせる〈裁き〉 / 鵜飼哲+前田朗+三宅千晶

【国連は誰のものか】
植民地主義戦争としての「人道的介入」――「保護する責任」、あるいは「文明化の使命」 / 林裕哲
パレスチナ人の法的闘争を読み解く――国連と国際法を通した連帯のために / 金城美幸
パレスチナを裏切り続けてきた国際社会 / 髙橋宗瑠
いかにして被植民者は「交渉相手」となりえるか?――リマ・ハサン、あるいはパレスチナを欧州の課題にするということについて /須納瀬淳

【法の砦】
変えるほど、なお原点にとどまり――Plus ça change, plus cʼest la même chose. / 最上敏樹
国際刑事裁判所は平和のために何ができるか――刑罰抑止による国際法遵守確保の可能性に関する試論 / 越智萌
国際連合の原罪と贖罪――「法による支配」から「法の支配」へ / 根岸陽太

【「国際」なるもの】
諸国家からなる結社の設計――サン= ピエールと国際連盟創設前夜の制度構想 / 川出良枝
〈国際〉の未来――グローバル関係研究からの展望 / 芝崎厚士
国際平和のために国家には何ができるのか――観衆費用の観点 / 武井槙人

【国連と私たち】
怒る女、怒らない女――国連による平和イメージとその余波 / 田中東子 
人権か、管理か――国連勧告に照らす入管行政と戦後日本 / 李英美
グレタとともに、しかし異なるやり方で――気候アクティヴィズムへのまなざしについて / 西山渓

【資料】
国連主要機関ガイド / 真嶋麻子

 

【追悼●クリヨウジ(久里洋二)】
追悼 久里洋二、久里先生、クリヨウジ / 古川タク
創造家(クリエーター)クリヨウジさんを偲んで / 大西宏志+長尾真紀子
スズメたちに餌をやる、そんな幸せな人生 / 土居伸彰

 

【連載●科学者の散歩道●第一〇九回】
核兵器廃絶に向けた言説――平和・軍縮・被爆 / 佐藤文隆

【連載●社会は生きている●第三〇回】
社会と自我 6――主体の起源 / 山下祐介

【連載●現代日本哲学史試論●第一四回】
交換様式史による近代との対決 / 柄谷行人の『世界史の構造』(一) / 山口尚

 

【研究手帖】
「関係の終わり」と向き合うとき / 十文字夏美