オッペンハイマーの遺産

-湯川中間子・原爆・ブラックホール-

佐藤文隆 著

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オッペンハイマーの遺産

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2025年4月25日

ISBN978-4-7917-7710-5

戦争の最中、一人の不器用な理論物理学者が原爆製造の指揮をとった――

ナチスドイツでの原子核分裂の発見を受けて「核」の時代が始まった。戦争の世紀、そして物理学の世紀である二十世紀、そのなかを苦悩と葛藤とともに生きた天才たちの生涯を追いながら、科学とわたしたち、科学と社会の関係を再び問い直す。現代を代表する科学者が描く、もうひとつの現代史。

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第1章 核兵器現状の一断面 老化する核弾道

第2章 核兵器の公然化とビキニ事 湯川の高知訪問と生涯の転機

第3章 原子爆弾と日本復興 仁科芳雄と永井隆

第4章 オッペンハイマーという選択 米国物理学会の興隆

第5章 湯川のオッペンハイマーとの初邂逅 一九三九年のUCバークレー

第6章 核分裂発見から科学戦時動員まで 英国の熱気が米国に

第7章 オッペンハイマーの登場と日米開戦 カリフォルニアの二人

第8章 左傾化のアメリカとオッペンハイマー ニューディールとスペイン内戦

第9章 原子爆弾完成後の去就をめぐって ボーアの「科学者共同体」

第10章 ある原爆科学者の生涯 フィリップ・モリソンの場合

第11章 ある水爆科学者の多彩な研究人生 ジョン・ホイラーの場合

第12章 核兵器廃絶に向けた言説 平和・軍縮・被爆

あとがき

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[著者]佐藤文隆(さとう・ふみたか)

1938年山形県鮎貝村(現白鷹町)生まれ。60年京都大学理学部卒業。京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、湯川記念財団理事長などを歴任。1973年にブラックホールの解明につながるアインシュタイン方程式におけるトミマツ・サトウ解を発見し、仁科記念賞受賞。1999年に紫綬褒章、2013年に瑞宝中綬章を受けた。2024年に『量子力学の100年』(青土社)で毎日出版文化賞を受賞。京都大学名誉教授、元甲南大学教授。
著書に『アインシュタインが考えたこと』(岩波ジュニア新書、1981)、『宇宙論への招待』(岩波新書、1988)、『物理学の世紀』(集英社新書、1999)、『科学と幸福』(岩波現代文庫、2000)、『職業としての科学』(岩波新書、2011)、『量子力学は世界を記述できるか』(青土社、2015)、『歴史のなかの科学』(青土社、2017)、『佐藤文隆先生の量子論』(講談社ブルーバックス、2017)、『量子力学が描く希望の世界』(青土社、2018)、『ある物理学者の回想』(青土社、2019)、『「メカニクス」の科学論』(青土社、2020)、『転換期の科学』(青土社、2022)など多数。