定価1,980円(本体1,800円)
発売日2025年7月26日
ISBN978-4-7917-0465-1
「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」開催記念
「ポリンキー」「バザールでござーる」等のCMプランナーとして始まった佐藤雅彦の仕事は、教育番組『ピタゴラスイッチ』『0655/2355』、書籍『プチ哲学』『新しい分かり方』、ゲーム『I.Q IntelligentQube』、展示「"これも自分と認めざるをえない"展」等と多岐にひろがっている。あらゆるメディアが持つ性質、制作者と鑑賞者とのコミュニケーションを解体し、新たに構築し直すことでもたらされる発見――「作り方を作る」とはどのような行いであるのか。表現研究者/教育者としての佐藤雅彦の足取りを辿る。
ユリイカ2025年8月号 特集=佐藤雅彦――『ピタゴラスイッチ』「だんご3兄弟」『I.Q Intelligent Qube』『0655/2355』『テキシコー』…新たな方法論を求めて
❖対談
作り方の使い方 / 佐藤雅彦×枡野浩一
❖閃きのあるところ
でたらめなひと / 太田光(爆笑問題)
❖カラー口絵
「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」展示風景より / 撮影=竹久直樹
❖マンガ採録
KIT / 佐藤雅彦
❖「佐藤雅彦展」にて
作品と作り方 / 野矢茂樹
「だんご3兄弟」の歌的客体化 / 児玉雨子
❖佐藤さんと作る
『ピタゴラ』と栗コーダーと佐藤さん / 栗原正己
歌とアイデアの道すじ / 真心ブラザーズ
理想の大人 / 山田一成(いつもここから)
❖インタビュー
よく考えるとすごく変 / 佐藤雅彦 聞き手=水野勝仁
❖写真
2003年の佐藤雅彦 / ホンマタカシ
❖佐藤研から現在へ
僕はひとつの「課題」に救われた / 山本晃士ロバート
まだ見ぬものを想像する / 菅俊一
最初の課題をずっと解いてる / 石川将也
風呂敷と携帯電話 / 岡田育
❖佐藤雅彦というメディア
分からなさの詩人 / 久保田晃弘
メディアからインタフェースへ / 渡邊恵太
❖回路をたどる
佐藤雅彦における、「わかる」という「エニグマ」 / 茂木健一郎
不条理の背後に、単純さがある――佐藤雅彦と「違和感」の構造 / 入來篤史
❖答えを求める
「これでいいのか!」――『I. Q Intelligent Qube』に触れた頃 / 山本貴光
笑いという答え――爆笑問題と佐藤雅彦 / 鈴木亘
❖回想・佐藤先生
世界にはこんな人がいるんだ / 柴田聡子
なぞなし、なぞなぞ / 青柳菜摘
❖CMからはじまる
ルールから生まれるキャラクター――バザールでござーる、クリストファー・ロイドから新しい生き物へ / 塚田優
テレビCM史と佐藤雅彦 / 大石真澄
❖装置のすき間で
いちばん上は長男である。名前をPという。 / 河野聡子
❖教育者であること
童謡としての『0655』『2355』――佐藤雅彦における非‐人間主義 / 矢野利裕
『テキシコー』の魅力再考――二一世紀を生きる全ての人へ送る“Computational Thinking” / 中島さち子
❖再構築されるもの
隔たりを越える伝え方 / フロクロ
佐藤雅彦的 / 品田遊
「つくり方をつくる」をつくる / 橋本麦
❖ビー玉のゆくえ
分かり方を伝える / 澤宏司
動きを作り、動きに作られる / 三好賢聖
❖コミュニケーションの設計
作り方を作ることについて――ユークリッドの活動 / 桐山孝司
分からなさへの畏れ / 田中みゆき
《計算の庭》の驚き――佐藤さんと桐山さん / 畠中実
❖複雑さへ向かう
ピタゴラ装置仕掛けの神――佐藤雅彦の世界観のエートス / 大岩雄典
佐藤雅彦のざらざらとしたところ / 谷口暁彦
❖資料
佐藤雅彦主要作品解題 / 松房子
佐藤雅彦主要著作解題 / 大林寛
❖忘れられぬ人々*46
故旧哀傷・大宮のおばさんたち / 中村稔
❖詩
あたたたかいたたかいはあったかい / 伊藤道史
❖今月の作品
矢澤あねら・飯山登・悠木貴紘・河北透麻 / 選=井坂洋子
❖われ発見せり
断片の詩学、陶片の対話 / 戸塚愛美
表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙・特集扉・対談扉写真……横浜美術館「佐藤雅彦展」会場風景 撮影:竹久直樹
インタビュー扉写真……撮影:岡田卓士