定価2,090円(本体1,900円)
発売日2025年8月27日
ISBN978-4-7917-0466-8
『CITY THE ANIMATION』放送記念!
あらゐけいいちは、シュールで爆発的なギャグとかわいらしくポップな筆致において唯一無二の世界観をつくりあげる。意識的に詰め込まれたパロディ、あるいは「すきなもの」のへの惜しみない愛情により構成されたそれは、どこから生まれ、広がりゆくのか。代表作『日常』をはじめ、『Helvetica Standard』、『雨宮さん』、そして『CITY』といった作品群で非日常を描き続ける漫画家の営為とおよそ20年の足取りを振り返り、その表現と創作を見つめ直す特集号。
特集*あらゐけいいち――『日常』『CITY』『雨宮さん』……(非)日常を空想するマンガ
❖対談
楽しい「街」をつくりだす / あらゐけいいち×石立太一
❖あらゐけいいちスタンダード
縦を横へのジレッタ——あらゐけいいちと「マンガの再発明」 / 三輪健太朗
どうして物語ははじまっているのか――『Helvetica Standard』から考える / 中田健太郎
❖「面白さ」を受け止める
街のひとりを演じて / 小松未可子
非日常の日常の日 / 青柳菜摘
❖ロングインタビュー
創作行路 / あらゐけいいち 聞き手=ばるぼら
❖ヒマラヤイルカがやってきた
あらゐけいいちの原風景——現実と幻影のあはひ / ひろちゃん×あらゐけいいち
二〇〇九年六月二三日のあらゐけいいち / 吉田雄平
たまに見る背中 / さわだ
い / 平山軽
❖イラストギャラリー①
あらゐさんの口グセ / 大沖
OLD CITY / TAGRO
あらゐさんについて / 今井哲也
あらゐけいいち先生との思い出 / 亀井薄雪
安中さん / 阿部共実
あらゐけいいちファンの皆さんこんにちは、あらゐけいいちファンのハトポポコです。 / ハトポポコ
❖再録
はね / あらゐけいいち
❖日常を照射する
なの論 / 佐々木敦
眩しき暴発、または『日常』における日常について / 森田直子
アニメーションはめくることができるか——『日常』における「ページ」のアダプテーション / 陰山涼
❖協働の思い出
The more you read, the more you creata. / 小林和史
僕の知っているあらゐけいいちさん / 倉敷保雄
❖あらゐけいいちの位置と距離
キャラ、コマ、共有素——『CITY』と見失われたウッドキューブ / 泉信行
「きみ」と「ぼく」の間にある「途方も無い距離」は、ただの「一歩」に過ぎない——あらゐのファンアートと交わらない平行線のレトリック / 足立加勇
オタクスタンダード絵について考えるために——『日常』における白い背景とあらゐけいいちのキャラクターデザインをめぐって / 塚田優
❖イラストギャラリー②
浮かぶ直方体 / 茶んた
日常に感謝の日常 / 可哀想に!
邂逅 / くまおり純
“おかし”な日常 / 田中達也
グリコ / ネリ夫
❖その空想がつなぐもの
Like a song / Daoko
ひねくれてギャグに悩んで最上川 / 品田遊
❖創作の相互作用
日常系、それでもなお――アニメ『日常』について / さやわか
マンガ家が作ったアニメーション作品はアニメ版とどのような関係にあるのか / 小松祐美
日常的実践のエゴイズム——アニメ『日常』をめぐるファン創作について / namahoge
❖「なんか好き」の読み解き方
なんかいいな / ゆこぴ
はじめまして、当惑 / のもとしゅうへい
『CITY』という揺らがない妄想 / 永田泰大
❖想像と創造と応答
洋食マカベで呑む方法——アイテムのリアリティ水準の操作をめぐって / 團康晃
街(CITY)で考現学する者/考現学者を生む街(CITY)——あらゐけいいち「CITY」を考現学的に読み直す / イトウユウ
あらゐけいいち『日常』に見るポスト・ヒューマニズムの展望——脱人間中心主義が拓く異種共生の新たな日常 / 大澤幸
世界の肯定としてのフェティシズム——キャラクターとともにモノを享受することから / 松浦優
❖資料
あらゐけいいち主要作品解題 / 平山軽
❖忘れられぬ人々*47
故旧哀傷・水上勉・富岡多恵子など / 中村稔
❖詩
unfold / 青野暦
❖今月の作品
村沫瞳・角朋美・河合遼太郎・冷泉秋夏・荻野薫 / 選=井坂洋子
❖われ発見せり
べつにそうじゃなくてもよかった。けど、そうでしかない / 工藤源也
表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙・特集扉・インタビュー扉イラスト……あらゐけいいち