定価4,620円(本体4,200円)
発売日2025年8月27日
ISBN978-4-7917-7732-7
人類と労働の、せつない関係
来る日も来る日もカウチに寝そべっている子ども、上司の言いつけを守らない部下、叶わぬ将来を夢見てやまないフリーター……。古今東西を問わず、“スラッカー”(怠けもの)と呼ばれる人たちの肖像をつぶさに見つめていけば、私たちが抱える矛盾に満ちた労働倫理が浮かび上がってくる。豊富な資料から読み解く、圧巻の労働文化史。
栗田隆子氏(著書『「働けない」をとことん考えてみた。』)解説!
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[目次]
第1章 カウチの上の息子
第2章 怠けものとその仕事
第3章 放蕩者(ラウンジャー)/ロマン主義/アメリカの浦島太郎(リップ・ヴァン・ウィンクル)
第4章 のんびり屋/共産主義者/酔っぱらい/ボヘミアン
第5章 神経症/散歩者(ソーンタラー)/放浪者(トランプ)/フラヌール
第6章 遊び人/フラッパー/バビット/バム
第7章 ビート/反=体制順応主義者/プレイボーイ/非行少年
第8章 徴兵忌避者/サーファー/TVビートニク/コミューン・ヒッピーたち
第9章 情報社会のスラッカー——働く倫理と働かない倫理
訳者あとがき
解説 栗田隆子
参考文献
索引
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[著者]トム・ルッツ(Tom Lutz)
1953年生まれ。アメリカ文学・文化史。社会学や心理学を文学と融合させた独自の研究領域を展開。著書に『無目的』(青土社)、『人はなぜ泣き、なぜ泣きやむのか?』(八坂書房)など。
[訳者]小澤英実(おざわ えいみ)
翻訳家・批評家。専門はアメリカ文学・文化研究。共著に『幽霊学入門』、『現代批評理論のすべて』(いずれも新書館)、訳書に『地図になかった世界』(白水社)、『キンドレッド グラフィック・ノベル版』(フィルムアート社)、共訳書に『むずかしい女たち』(河出書房新社)、『彼女の体とその他の断片』(エトセトラブックス)など。
[訳者]篠儀直子(しのぎ なおこ)
翻訳・映画評論。訳書に『フレッド・アステア自伝』、『エドワード・ヤン』、『ネット・バカ』、『切り裂きジャックに殺されたのは誰か』(いずれも青土社)、『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』(DU BOOKS)など。