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現代思想2025年11月号 特集=「終末論」を考える

-破局と救済のポリティクス-

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現代思想2025年11月号 特集=「終末論」を考える

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2025年10月27日

ISBN978-4-7917-1489-6

「終わり」をめぐる幻想を超えて
世界/社会の終末と選別的救済を煽り立てる言説が、各所で勢いを増している。氾濫する終末論の波間で、安易な楽観にも、単なる絶望にも陥ることなく私たち自身の未来をいかに思考できるのか。本特集では終末論の政治的含意を批判的に問うとともに、その宗教的な淵源や、歴史・文化も含め広く検討することで、オルタナティヴな未来の思想を模索する。

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[目次]

 

特集*「終末論」を考える――破局と救済のポリティクス

 

【討議】
終わりへの幻想が砕け散ったあとで――オウム以後の終末論をめぐって / 橋迫瑞穂+森岡正博

【危機感と政治】
破局に魅了されて… / 大澤真幸
終末ファシズムに勝利するのは常に民衆である / 森元斎
反革命としての終末ファシズムとオルタナティブとしてのトランスフェミニズム / 菊地夏野
資本新世末期における終末ファシズムのディストピア/ユートピア / 土佐弘之

【イマジネーションの古層へ】
終末の神話――インドと北欧から / 沖田瑞穂

【信じる者は救われるのか】
陰謀論的な終末論と、終末論的な陰謀論 / 辻隆太朗
米国の終末論の現在――ピーター・ティールや福音派はどのような「最後」のために戦っているのか / 柳澤田実
シンギュラリティとコンピュータの「精神性」 / 冲永宜司
「終わり」をいかに語るか――フェミニスト神学・クィア神学における終末論 / 工藤万里江

【未来との(いくつもの)つき合い方】
未来のない政治は可能か――ダナ・ハラウェイと終末をめぐる試論 / 逆卷しとね
未来を支配せず、可能性をケアする――終末論ファシズムとテクノ封建主義に対抗する「母親の狂気」 / 宮本道人
マーク・フィッシャーのヴァンピリズム、あるいは反生存主義について / 小泉空
「終末」の大衆性と遊戯性――雑誌『終末から』と時代語りのワンダーランド / 木村政樹

【行く末のための哲学】
カントの終末論――論文「すべての物の終わり」をめぐって / 寺田俊郎
中断としての終末――ベンヤミンの終わりへの問い / 柿木伸之
アナーキズムとしての神権政治――ヤーコプ・タウベスにおける革命的終末論 / 大竹弘二
デリダの終末論的思考――「終わり」から「出来事」へ / 亀井大輔


【特別寄稿…追悼●佐藤文隆】
佐藤文隆先生との出会い / 細谷曉夫
佐藤文隆先生と白鷹町 / 青木薫

【連載●社会は生きている●第三九回】
社会の制御 2――認識による制御 / 山下祐介

【連載●京都〈移民〉紀行●第九回】
変わりゆく東九条(2) / 森千香子

【連載●家族と憲法●第五回】
日本の「伝統的な家族観」とは? / 木村草太


【研究手帖】
メディア不信と折り合うために / 田中瑛