定価5,280円(本体4,800円)
発売日2020年8月25日
ISBN978-4-7917-7300-8
民間伝承の宝庫
鬼話は死後の世界だけではなく、現世の身近な民俗・風習のなかに生きている。鬼は、自然と人類のあいだの神秘を仲介し、正義が邪悪に打ち勝つという庶民の期待に夢を与える。太古よりの豊かな創造力を伝承し、いまなお人口に膾炙して、語りつがれる雄大な〈民衆叙事詩〉。待望の完訳。

[目次]
19 鬼縁
張り子の人形 / 太守の娘 / 王良、妻をめとる / 鬼の結婚 / 書生と鬼妹 / 琴縁 / 風流鬼、義により鴛鴦を守る / 陰間の結婚 / 鬼情 / 鬼、人をたぶらかす / 張少霄 / 陳生 / 義鬼の鳳姣
20 兄弟と鬼
木の碗 / 楡樹と楡叢 / 老大と老二、鬼に出会う / 長い鼻
21 有名人と鬼
倉頡、字を造る / 孔子、鬼神を造る / 鬼退治 / 鬼谷子先生 / 東扯西拽「回避」 / 蓋蘇文、魂を求む / 程咬金鎮魂記 / 趙匡胤を助ける鬼 / 陽間に戻る / 飛び去った煞鶏 / 伸冤廟 / 包公、鬼を取り調べる / 包公、陰司で裁く / 智慧で悪鬼魂に勝つ / 天命の包公 / 范仲の鬼退治 / 亀智深、鬼を背負う / 武松の鬼退治 / 州人という別号の由来 / 仇十州、鬼を描く / 乾隆帝、巧みに披毛煞を遇す / 陸稼書、判官を裁く
22 対聯と鬼
下の句を付ける / 秀才、鬼の句に下の句を付ける / 武西蓮月 / 村長の息子 / 寺のなかの絶妙な対聯 / 張秀才 / 鬼師
23 風物と鬼
大壮塘の由来 / 頭のない魁星 / 臥牛城にはなぜ東門がないのか / 張忠と槐花 / 護子林 / 月亮池の大亀 / 五聖堂はなぜ高さが三尺しかないのか / 紅石橋 / 北瓜 / 田鶏 / 林中の老鬼 / 金翠瓜 / 鬼谷廟 / 木偶劇団の由来 / 墨池 / 二人の城隍 / 薄荷 / 勾魂山 / 鬼洗臉溝 / 聖母台
24 風習と鬼
紙銭を燃やす / 関羽の鬼退治 / 秤で計る / 赤い番傘 / 真夜中に楽器を鳴らしてはならない / 鎮邪鏡 / 蚊帳の血染めの針 / 鬼の怖がるもの / 老人が若い妻をめとる / 守霊 / くしゃみで鬼退治 / 服を焼いて病を治す / 墨壺 / 催生娘娘 / 戸口に八卦を貼る / 傘をさして鬼を避ける / 方形の石で搗地鬼を鎮圧する / 門神と窓花で鬼を避ける / 大晦日に爆竹を鳴らす由来 / 産屋の入口に赤紙、鏡、鋏を掲げる伝説 / 城隍土地神 / 影壁牆 / 結婚の風習の由来 / 門になぜ桃の木の枝を挿すのか / 煉瓦造りの墓と紙銭 / 湯を飲んで病気を取り除く / 縄の鞭で鬼を打つ / 鬼市 / 神鷹 / 包拯の隈取りの三日月はなぜきちんと描いてはいけないのか / 敷居の由来 / 対聯の由来 / 女性はなぜ夜中に髪の毛を梳かないのか / 主のいない新しい寝台には泊まってはいけない / 陰債を借りる / 陰寿を借りる / 回煞 / 鬼は桃の木の枝を恐れる / 埋葬の風習の由来 / 八字先生の由来 / 幸運は鬼がかつぎ、不運は鬼が足を引っ張る / 明灯は人ではなく、明月は一人では歩かない / ずぼんを枕にすると、鬼が首を絞める
25 対をなす鬼
新鬼と老鬼 / 高鬼と矮鬼 / 打更鬼と催火鬼
26 鬼と闘う
役者が鬼に陽気を吹きかける / 鬼を焼く / 王勇、鬼と闘う / 小大胆、三人の鬼妖と闘う / 秀才が墓に杭を打ち込む / 小黒 / 鬼離等 / 老戯迷の鬼退治 / 鬼を退治する / 楊端公 / 人と鬼との闘い / だれがだれを救ったのか / 也先の鬼退治 / 鬼同士の闘い / 沙沙鬼 / 奇遇 / 牛大胆 / 「ちょっと待ってくれ」 / 鬼は「悪人」が怖い / 命を奪う小鬼 / 小二、父親を探して魔鬼と闘う / 腕くらべ / 四人の悪鬼を巧みに退治した王三 / 素寒貧の張二
27 鬼を背負う
蘇二爺、貪花鬼を背負う / 鬼を背負う / 鬼、棺に化す
28 にせの鬼
斉元、鬼を斬る / 王二喜 / 酒酔鬼と吊死鬼 / 淹死鬼と吊死鬼 / 大胆先生、鬼を怖がる / 博奕を打つ / 無量胆、鬼に扮して舅舅を退治する / 邵成、鬼を捕まえる
29 そのほか
王二小、陰間をぶらつく / 張秀才の投胎 / 張老漢、死後に生き返る / 借金を取り立てる驢馬 / 鬼に影がない / 顔に鶏の毛が生える話 / 童養媳、悪鬼をやっつける / 呉悵鬼 / 鬼との腕くらべ / 田令光 / 嶗山の道士、悪鬼を取り除く / 劉成、鬼市に行く / 行き違い / 墓活鬼 / 頭を換える / 鬼瞼を鎮める鏡 / 午夜鬼 / 陰才 / 歌を唄う髑髏 / 生死簿の寿命を延ばす / 巧みに菜刀鬼をあしらう / 鬼が大足病を治す / 神磨 / 鬼の妬み / 祥宝
編者あとがき
第二刷あとがき
訳者あとがき

[著者]文彦生(Wen Yansheng)
本名は徐華龍。1948年生まれ。民俗学、文化人類学、神話学を専門とし、特に鬼学の権威。中国民族学会常務理事、上海民俗学会副秘書長、江西省社会科学院客座教授。著編著:『中国の鬼』(青土社)、『中国鬼文化大辞典』(広西民族出版社)他多数。
[訳者]鈴木博(すずき・ひろし)
1940年生まれ。東京大学文学部卒。中国現代史、食文化を中心に幅広い文筆活動を展開。著書:『焼酎礼賛』(社会思想社)、『中国食文化辞典』(共編・角川書店)。訳書:徐華龍『中国の鬼』、袁珂『中国の神話伝説 上・下』(以上、青土社)他多数。