定価2,200円(本体2,000円)
発売日2022年10月26日
ISBN978-4-7917-7508-8
「自己啓発」とはなにか
私たちは自己啓発に夢中だ。自己啓発の文化は、古典、宗教、資本主義などから生まれたが、今日では人工知能、ソーシャルメディア、ビッグデータという新しいテクノロジーが自己啓発の意味を書き換えている。それは数千億規模の産業だが、私たちを決して幸せにしてくれない。むしろそのせいで私たちは落ち着きを失い、不安になり、自暴自棄になっている。本書は自己啓発がなぜこれほどまでに有害になったのかを分析し、その罠から抜け出すための新しい自己の概念と社会変革がなぜ必要なのかを示す。

1 現象 自己啓発の強制
2 歴史 自己知や完全性を求めた古代の哲学者、聖職者、人文主義者
3 社会 近代の自己執着 ルソーからヒップスター実存主義まで
4 政治経済 ウェルネス資本主義の下での自己馴致と搾取
5 テクノロジー カテゴリー化、測定、数値化、強化、もしくは、なぜAIは私たちについて私たち自身より知っているのか
6 解決策(第一部) 関係的自己と社会変化
7 解決策(第二部) 私たちについて異なった物語を語るテクノロジー
原註
訳者あとがき
索引

[著者]マーク・クーケルバーク(Mark Coeckelbergh)
ウィーン大学教授(メディア・テクノロジー哲学)。著書にAI Ethics (2020)' Introduction to Philosophy of Technology (2019) など多数。
[訳者]田畑暁生(たばた・あけお)
神戸大学人間発達環境学研究科教授。専攻は社会情報学。著書に『情報社会論の展開』『「平成の大合併」と地域情報化制作』(以上、北樹出版)、『メディア・シンドロームと夢野久作の世界』(NTT出版)、『風嫌い』(鳥影社)など。訳書にライアン『膨張する監視社会』『監視文化の誕生』、パスカーレ『ブラックボックス化する社会』(以上、青土社)など多数。