定価2,640円(本体2,400円)
発売日2023年12月25日
ISBN978-4-7917-7607-8
大江健三郎、三島由紀夫、安部公房、中上健次、古井由吉、菊地信義、磯崎新……
ときに作品を深く掘り下げ、ときに作品の頁をあらゆる順から繰り、そしてときに空間のなかで切り裂くような静けさに耳を澄ませる。過去から未来へと、その思想を受けつぎ、さらにその先まで見つめる、作品論にして作家論。

[目次]
はじめに
第一章 大江健三郎の闘争
純粋天皇の胎水
最後の小説――晩年の様式
追悼――大江さんからの最後の手紙
第二章 三島由紀夫さんと一九六八年の文学
永遠の夏――蓮田善明とともに
偽物と分身――「私」の消滅
一九六八年の文学
第三章 安部公房と中上健次
砂漠の方舟――安部公房の彷徨
「うつほ」からの響き――中上健次の抵抗
第四章 吉田由吉と菊地信義
反復の永劫――『鐘の渡り』について
追悼――境界を生き抜いた人
書物に宇宙を封じ込める
第五章 磯崎新の最後の夢
憑依都市――「間」を転生させる
イランへ――洞窟のなかの光
終 章 心のなかの、いまだ何処にも存在しない場所
初出一覧

[著者]安藤礼二(あんどう・れいじ)
1967年東京都生まれ。文芸評論家。多摩美術大学教授。早稲田大学第一文学部考古学専修課程卒業後、出版社に勤務。2002年「神々の闘争――折口信夫論」が第45回群像新人文学賞評論部門の優秀作に選ばれる。2006年『神々の闘争 折口信夫論』で第56回芸術選奨新人賞受賞。2009年『光の曼陀羅 日本文学論』で第3回大江健三郎賞、第20回伊藤整文学賞受賞。2015年『折口信夫』で角川財団学芸賞、サントリー学芸賞受賞。ほかの著作に『大拙』、『列島祝祭論』、『熊楠 生命と霊性』、『縄文論』、『井筒俊彦 起源の哲学』などがある。