定価2,860円(本体2,600円)
発売日2025年3月19日
ISBN978-4-7917-7699-3
私たちは人とのつながりがなければ生きていけない
男と女、仲間、血縁、民族、触れ合い、笑い、音楽、言葉、物語、魅力、キス、匂い、リスク、婚姻、肌の色、体質、欲望、絶滅、創造、志向意識水準、文化、道徳、宗教、健康、知性、芸術……。進化心理学の視点から縦横無尽に展開される、私たちのつながりの起源。

[目次]
PartⅠ ヒトとヒトのつながり
第1章 貞節な脳(男と女)
浮気好きな種の脳は小さい/大きな新皮質はメスのおかげ/女の視覚は、男よりカラフル
第2章 ダンバー数(仲間同士)
集団サイズは新皮質の大きさに比例する/気のおけないつながりは一五〇人まで/メンタライジング/ネットワークは“三の倍数”で増える
第3章 親類や縁者の力(血縁)
共同体意識/家族といっしょのほうが健康/方言は共同体の会員証
第4章 ご先祖さまという亡霊(民族)
チンギス・ハーンの末裔?/言語と遺伝子のネットワーク/失われた民族の痕跡/友だちを返せ?
PartⅡ つながりを生むもの
第5章 親密さの素(触れ合い・笑い・音楽)
やさしくさわって/信頼を育む化学物質/笑いの進化/ヒトが音楽好きな理由
第6章 うわさ話は毛づくろい(言葉・物語)
言葉は、遠隔の毛づくろい/母親ことばと音楽の起源/女どうしのつながりが、言葉を発達させた/夜、物語る効果
第7章 今夜、ひとり?(魅力)
恋人探しのルール/魅力の秘密/野心を調整する/女の変化に気づいていない男たち
第8章 エスキモーのあいさつ(キス・匂い・リスク)
キスの進化論的な効果/匂いの影響力/もてるのはリスクをとる男
第9章 ずるいあなた(婚姻)
単婚のジレンマ/メスが浮気して得なわけ/愛の絆を深めにくい遺伝子
PartⅢ 環境や人類とのつながり
第10章 進化の傷跡(肌の色・体質)
ミルクとの愛蔵関係/高緯度とカルシウム/肌の色を決めるビタミン/赤ん坊は父親似と思いたい/ややこしい性別
第11章 進化の邪魔をするやつはどいつだ?(進化と欲望)
病原体を防ぐ言語共同体/つわりがあると良いこと/死よりも大きな不安?/中国が抱える時限爆弾
第12章 さよなら、いとこたち(絶滅の罠)
迫り来る悲劇/乳香の教え/マンモス絶滅の真実/言語の大消滅時代/それって心配すること?/伝統的な社会も、地球にやさしいわけではなかった
第13章 こんなに近くてこんなに遠い(人類の起源)
伝説の小さな獣人/二つの結論/「人間らしさ」の起源/ネアンデルタール人の肌は白かった
第14章 ダーウィン戦争(進化と創造)
デザインが、どうインテリジェント?/進化戦争/分子遺伝学は救世主?/この骨は誰のもの?
Part Ⅳ 文化・倫理・宗教とのつながり
第15章 人間ならではの心って? (志向意識水準)
相手の心を読む/ヒトと動物の「誤差」/内なる限界/不幸の確率
第16章 カルチャークラブに入るには(文化)
人間の文化・動物の文化/ひっくり返った常識/高次元の文化/シェイクスピアの六次志向意識水準
第17章 脳にモラルはあるのか?(道徳)
「トロッコ問題」を神経心理学で解く/道徳と宗教の誕生/類人猿にモラルはある?
第18章 進化が神を発見した(宗教)
宗教の進化生物学的な意味/笑い、音楽、そして宗教/信仰とダンバー教
第19章 頭を使って長生きしよう(健康・知性)
IQと健康と死の関係/何て不公平な世の中/成功は成功から生まれる/知識の喜び
第20章 美しい科学(芸術)
ルネサンス的教養人/詩人もまた科学者である/ラテン語は捨てられ、科学は下り坂に
謝辞
解説 長谷川眞理子

[著者]ロビン・ダンバー(Robin Dunbar)
進化心理学者。オックスフォード大学認知進化人類学研究所元所長。著書に、『ことばの起源――猿の毛づくろい、人のゴシップ』、『なぜ私たちは友だちをつくるのか――進化心理学から考える人類にとって一番重要な関係』(以上、青土社)、『宗教の起源――私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』(白揚社)などがある。
[訳者]藤井留美(ふじい・るみ)
翻訳家。上智大学外国語学部卒。訳書にアラン・ピーズ&バーバラ・ビーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)、マイケル・S・ガザニガ『〈わたし〉はどこにあるのか』(紀伊國屋書店)、デイビッド・ウォレス・ウェルズ『地球に住めなくなる日』(NHK出版)などがある。