ショスタコーヴィチを語る

-亀山郁夫対談集-

亀山郁夫 著

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ショスタコーヴィチを語る

定価5,060円(本体4,600円)

発売日2025年7月26日

ISBN978-4-7917-7727-3

稀代の芸術家の魂にせまる

革命、そして戦争という激動の時代を生きた作曲家ショスタコーヴィチ。さまざまな評価にさらされながら、その作品はいまなお私たちの心をゆさぶりつづけている。ショスタコーヴィチの音楽に秘められたものとは何か。その魅力の核心に迫る。日本を代表するロシア文学者が、この稀有な才能について、各界の第一人者とあますところなく語りつくす贅沢な対談集。

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[目次]

はじめに

第1章 オーケストラと近代市民社会のみた(悪)夢
×岡田暁生

第一部 音楽との出会い――原点/まず、モーツァルト/それから、ベートーヴェン/公共圏と親密圏/ソ連のなかのショスタコーヴィチ/「人間」に対する感覚、個人か、全体か
第二部 それぞれの一押し/ワーグナーとソ連全体主義/演奏論をめぐって/村上春樹とゲーテ、または音楽を語り合う喜び

第2章 ショスタコーヴィチとスターリン主義
×浅田彰

フランス音楽を通じて「発見」したロシア音楽/ショスタコーヴィチの「聞き方」/単純なプロパガンダと豊かさの二面性/一九世紀の作曲家がそこにいる!

第3章 ショスタコーヴィチ体験とは何か
×島田雅彦

第一部 はじめに――ショスタコーヴィチとの出会い/《ムツェンスク郡のマクベス夫人》の実験/ショスタコーヴィチの交響曲をめぐって/特定宗教ではない何か/プロコーフィエフとの確執
第二部 没後五〇年の現在/「ショスタコーヴィチ現象」/力の源泉/罪障意識と資本の原理/ポスト・ショスタコーヴィチを占う/おわりに

第4章 ショスタコーヴィチ、知られざる闘い
×梅津紀雄

出会いから「今」へ/体制への関与/「空白の八年」?/再び「ファウスト」の方へ/ジダーノフ批判、官僚主義との闘い/《カテリーナ・イズマイロワ》への道

第5章 ショスタコーヴィチという主語
×青澤隆明

ショスタコーヴィチとの距離と同化/ショスタコーヴィチとの出会いかた/制約の下での創造/天才性をめぐって――ショスタコーヴィチとプロコーフィエフ/ショスタコーヴィチのどこが駄目なのか/父権と、母性的なるもの/音名象徴をめぐって/旋律と引用の問題/純粋と不実/引用と記憶――歴史をめぐって/音名主義という主語/ショスタコーヴィチの遺書をどう受けとめるか

第6章 ショスタコーヴィチのユートピア
×小林文乃

甦るショスタコーヴィチ、または癒しの源泉/トラウマ、変わらざるヴィジョン/ひそやかな「二枚舌」/スターリン崇拝の復活のなかで/「トランス状態のやっつけ仕事屋」/ホロコーストの記憶を辿る/ショスタコーヴィチの道化

第7章 ショスタコーヴィチは謎だらけ
×吉松隆

遠い過去より/ショスタコーヴィチの「正体」/作曲のスタイルが内容を規定する?/《交響曲一〇番》、またはファウスト伝説をめぐって/暗号を好む作曲家、好まない作曲家/「演奏するのが、はずかしい」/お別れは、スポーツの話

第8章 ショスタコーヴィチはラフマーニノフの同時代人
×原田英代

ロシア的療法との出会い/時間の感覚と「生ける水」/二一世紀のラフマーニノフ/ショスタコーヴィチの反抗心/《二四のプレリュードとフーガ》に挑戦する

第9章 ショスタコーヴィチに「二枚舌」はない
×一柳富美子

ヴォルコフの『証言』とその波紋/「二枚舌」はない/《交響曲第一二番》――最大の焦点/音名象徴と新たな発見/自筆譜の進捗と問題/現代における音楽の影響

第10章 ショスタコーヴィチって、神がいないじゃない。
×井上道義

記憶の中のロシア/ショスタコーヴィチと出会う/チャイコフスキー、そしてセクシュアリティの問題/プロコーフィエフと比較する/指揮台上の苦悩/死を意識する、あるいは《一六番》の可能性

「ショスタコーヴィチは僕自身だ」――井上道義讃 亀山郁夫

おわりに

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[著者]亀山郁夫(かめやま・いくお)
1949年栃木県生まれ。ロシア文学者。名古屋外国語大学学長。東京外国語大学外国語学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。天理大学、同志社大学を経て、1990年より東京外国語大学外国語学部助教授、教授、同大学学長を歴任。2013年より現職。日本ドストエフスキー協会会長、世田谷文学館館長、日本藝術院会員。主著に『破滅のマヤコフスキー』(筑摩書房、木村彰一賞)、『磔のロシア』(岩波書店、大佛次郎賞)、『謎とき『悪霊』』(新潮選書、読売文学賞・翻訳・研究賞)、『新カラマーゾフの兄弟』(河出書房新社)、『ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光』(岩波書店)。また翻訳ではドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)で、毎日出版文化賞特別賞とロシアのプーシキン賞を受賞。そのほかの訳書に『罪と罰』『白痴』(いずれも光文社古典新訳文庫)など多数。