定価3,520円(本体3,200円)
発売日2025年8月26日
ISBN978-4-7917-7731-0
火山の麓で、氷河の上で、崇高な大地の前で――
アイスランドに生きる作者が自分自身や家族、これまで関わってきた人たちの視点、そして古くから伝わる伝承や北欧神話から、人と自然の「これまで」と「今」と「これから」を書き留める。すべての人に送る、物語のような随想録。
アイスランド本屋大賞、Tiziano Terzani賞(イタリアの国際文学賞)を受賞し、30か国以上で翻訳された話題作
[目次]
数奇な時代を歩まんことを
愛し子
未来についての会話
スライド
神の静寂な無辺
書くことの堰堤
物語を語れ
理解できない言葉
始祖の牛、アウズフムラを探して
聖者の訪問
間違った神からの啓示
過去に戻る
ワニの夢
同時代のための神話
北緯六四度三五・三七八分、西経一六度四四・六九一分
氷霜のように白き宇宙の母
白い巨人にさよならを
蒸気機関に宿る神
もうほんのすこしの言葉を
海よ、青き海よ
きっと全部うまくいく
ダラムサラの客室にて、ダライ・ラマと話す
乳の霧のなかで
トルビャルナルソンワニ
二〇五〇
未来の会話
アポカリプスの今 Covid-19に寄せて
原注
訳者あとがき
[著者]アンドリ・スナイル・マグナソン(Andri Snær Magnason)
1973年レイキャヴィーク生まれ。児童文学作家、口承文芸研究家、自然保護活動家。『青い惑星のはなし』(学研、2007)で初のアイスランド文学賞(文芸書部門) を受賞。『ラブスター博士の最後の発見』(創元SF文庫、2016)でフィリップ・K・ディック賞特別賞、イマジネール大賞を受賞。『よみがえれ!夢の国アイスランド』(NHK出版、2009)で2度目(専門書・一般書部門)、『タイムボックス』(NHK出版、2016)で3度目(児童書部門) のアイスランド文学賞を受賞。
[訳者]朱位昌併(あかくら・しょうへい)
1991 年生まれ。詩人、アイスランド語翻訳者、アイスランド文学研究者。単訳書にラニ・ヤマモト『さむがりやのスティーナ』(平凡社)などがある。そのほかの仕事に「呑む色」(詩集『それぞれの街に降る雨についての数行』所収)、解説「枝道」(オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル『花の子ども』早川書房)、連載エッセイ「霜柱を踏みしめて」(左右社)、多和田葉子『献灯使』アイスランド語翻訳補助など。