空海の密教思想

竹村牧男 著

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空海の密教思想

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2025年8月27日

ISBN978-4-7917-7736-5

一切の他者は自己である――

空海の著作を丁寧にひもとき、説かれた言葉の真意をさぐりあて、密教思想の核心をあきらかにする。空海は世界がどのようにあると見ていたのか、その根本にある「大日如来の大智と大悲」とはなにか。人間観、言語観、修道論などから、仏教研究の泰斗が、偉大なる巨人・空海の思想の全貌にせまる。

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まえがき

第一章 空海の生涯

空海の修行時代/『三教指帰』を著す/長安に渡る/恵果に就いて密教を学修/帰国の途へ/上洛を果たす/密教の伝道活動へ/高野山を賜る/その後の活動/弟子・智泉を弔う/『十住心論』の撰述/高野山万灯会の願文/晩年の空海

第二章 顕教と密教

仏教の歴史/『弁顕密二教論』における顕教と密教/十住心における顕教と密教/『秘蔵宝鑰』の序の詩について/密教の行法/『十住心論』の「秘密荘厳住心」

第三章 両部曼荼羅の諸尊

はじめに/胎蔵曼荼羅について/金剛界曼荼羅について/胎蔵曼荼羅の編成――中台八葉院/胎蔵曼荼羅の構成――その他の各院/金剛界曼荼羅の構成――羯磨会/金剛界曼荼羅の構成――その他の各会/まとめ

第四章 大日如来とは

大日如来の特徴/大日如来と五智・五仏/大日如来の仏身論/大日如来の受用身説法等について/大日如来の説法と三密/大日如来の法身説法

第五章 密教の言語観

はじめに/妄語と真実の語の区別/法爾の言語/一字の真言/字相と字義について/言語の多義性/『声字実相義』の「声字実相頌」/「六塵に悉く文字あり」の意味(1)/「六塵に悉く文字あり」の意味(2)/『声字実相頌』「叙意」/「果分可説」再考

第六章 密教の人間観

空海思想の核心――『十住心論』「秘密荘厳住心」の冒頭/曼荼羅とは何か/『即身成仏義』の曼荼羅思想/六大無礙にして常に瑜伽なり/『吽字義釈』、『秘蔵宝鑰』に見る曼荼羅構造/四種曼荼羅の内容/四種曼荼、各の離れず/三密加持して速疾に顕わる/重々帝網のごとくなるを即身と名づく/まとめ――この曼荼羅思想といのち

第七章 密教の発菩提心

本来成仏の思想/即身成仏の思想/「即身成仏」の語の読み方/密教の仏道の全体――三句の法門/方便を究竟とする/『三昧耶戒序』の発菩提心/信心ということ/大悲心について/勝義心について/大菩提心について/菩提心と戒との関係/秘密三昧耶仏戒等の内容

第八章 密教の修道論

密教の修行について/菩提心と月輪観/阿字観の実際/三密加持と入我我入/五相成身観の世界/仏心の究極/『秘蔵宝鑰』「秘密荘厳心」の結び/密教の断惑論(1)――三劫について/密教の断惑論(2)――六無畏について/十地について/まとめ

第九章 密教の救い

はじめに/『六波羅密経』の教え/曼荼羅の救い/『十住心論』の「深秘釈」/衆生における三密加持/三力による加持/無相の三密加持/まとめ

あとがき

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[著者]竹村牧男(たけむら・まきお

1948 年東京生まれ。1971 年東京大学文学部卒業、75 年同大学院印度哲学専修博士課程中退。三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授、東洋大学学長を歴任。東洋大学名誉教授。専門は仏教学、宗教哲学。唯識思想研究で博士(文学)。著書に『唯識の構造』(春秋社、1985)、『華厳とは何か』(春秋社、2004)、『西田幾多郎と鈴木大拙』(大東出版社、2004)、『入門 哲学としての仏教』(講談社現代新書、2009)、『『大乗起信論』を読む』(春秋社、2017)、『空海の哲学』(講談社現代新書、2020)、『空海の言語哲学』(春秋社、2021)、『唯識・華厳・空海・西田』(青土社、2021)『空海の究極へ』(青土社、2022)、『井上円了 その仏教思想』(青土社、2022)、『新・空海論』(青土社、2023)、『良寛 その仏道』(青土社、2024)、『空海と華厳思想』(春秋社、2025)ほか多数。