定価1,980円(本体予価1,800円)
発売日2025年10月27日
ISBN978-4-7917-0469-9
最新アルバム『イ三』リリース間近!
15歳でのメジャーデビューからその俊才ぶりを轟かせてきた「SASUKE」は、2023年に本名「原口沙輔」へと名を改め、ネット音楽シーン最注目アーティストのひとりへと転身する。ボカロ楽曲「人マニア」、月ノ美兎を客演に迎えた「贋ト旧称」、『学園アイドルマスター』初星学園全体曲「初」……数多の歌い手へと憑依し、ハイブロウかつキッチュなサウンドデザインを通してミームの氾濫を引き起こしながら、原口沙輔は何を希求しているのか。その響きに耳を傾ける。

特集*原口沙輔――「人マニア」「イガク」「贋ト旧称」……そして『イ三』へ
❖対談
音楽というさまざまな箱 / 原口沙輔×キタニタツヤ
❖共棲と共謀
遊ぶ、歯向かう、作り変える / フロクロ
機能美的な「破壊」 / DÉ DÉ MOUSE
❖未完であること
原口沙輔のいさん――〈転向〉はなにを浮かび上がらせたか / imdkm
踊るスティル・ライフ――原口沙輔の〈壺〉をめぐって / namahoge
❖インタビュー
『イ三』にむけて――音楽を遺すこと / 原口沙輔 聞き手・構成=namahoge
❖新たなエモーショナリズム
秘的で私的で素敵――原口沙輔の「感情」の行方 / 岩倉文也
さようなら、全ての沙輔氏――原口沙輔における「感覚の論理」と「表現」 / 木澤佐登志
❖原口沙輔(=SASUKE)という人
原口沙輔を探して / いとうせいこう
ポップの導き / lilbesh ramko
❖スキップする足音
てへぺろする天才。SASUKEから原口沙輔、軽やかさの系譜――ハラグチサスケ:ルッキング・バック・フロム・2025・トゥ・レイト2010s……! / つやちゃん
心技体揃った「大袈裟」のポップ / 和田信一郎(s.h.i.)
❖オマージュイラスト
原口沙輔、暗闇に映える / いよわ
テープオンテープオンテープオンテープオンデトネーション / 読谷あかね
きゅびびびびびびびずむ / Panda
❖詞という行為
「人マニア」考察マニア / 柴田葵
無責任さと呼びかけ――原口沙輔の空っぽなペルソナ / 難波優輝
綴り換わるもの――原口沙輔の言語遊戯と言葉のかたちについて / 河野咲子
❖アンケート
わたしと原口沙輔 / 長瀬有花・環ROY・超学生・高野 寛・Aiobahn +81・tofubeats・なきそ・なみぐる・有村 崚(in the blue shirt)・名取さな・TOWA TEI・ツミキ・yuigot・ケンモチヒデフミ・Nakajin(SEKAI NO OWARI)・D.watt(IOSYS)・r-906・梓川・崎山蒼志・ゆーり・山川恵津子・りぶ・佐藤純一(fhána)・冨田ラボ(冨田恵一)・TAK・柴田(パソコン音楽クラブ)・TAKU INOUE・蔦谷好位置
❖端末あるいは身体
口にしても未だ(意)味はない――あるいはⅡ重化するスクリーン / 言稿
爛(ただ)れたサーフェス――デザインの主体/客体として立ち現れる「原口沙輔」、あるいは漂流する神経=装飾(インターフェース)について / 青山新
#踊ってみろ――デジタルダンスのボキャブラリーとテクニック / 太田充胤
板、円盤、箱――『人マニア ノベルアンソロジー』に見る縦長という文=体 / 青島もうじき
❖囁くデータベース
抽象 / にゃるら
名付けえぬもの / 笹川真生
四角い時代 / 市松寿ゞ謡
❖声の憑在
原口沙輔はいかにボカロ文化を踏襲したか / Flat
過剰な「嘘」のシリアスさ――原口沙輔と重音テトのクィアな共犯関係 / Haru Takitoh
原口沙輔の背後にある「うすらくらいもの」 / 大橋史
❖資料
原口沙輔クロニクル / 草野虹
❖忘れられぬ人々*49
故旧哀傷・長谷川廣太郎 / 中村稔
❖詩
日曜 / 向坂くじら
❖今月の作品
norik@_K・佐野玲子・大島蜜柑・記号社 / 選=井坂洋子
❖われ発見せり
問いとタロットのあいだで / 杉山怜美
表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙・インタビュー扉画像……原口沙輔