被害者性の政治学

リリー・チョウリアラキー 著,川副智子 訳

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被害者性の政治学

定価3,520円(本体3,200円)

発売日2026年2月26日

ISBN978-4-7917-7756-3

なぜ被害者が生まれるのか? だれが被害者だったのか? 今日の被害者はだれなのか? どうすれば被害者性を取り戻せるのか?

#MeTooやBlack Lives Matter運動、COVID-19の問題が明らかにしたのは、もっとも脆弱な人々の声はたいてい聞き取られず、むしろ力を持った者たちの主張が重要となってしまうことだった。

「被害者性」にひそむ落とし穴を切り抜け、痛みと苦しみに耳を澄ませるための必読書。

Wronged: The Weaponization of Victimhood Lilie Chouliaraki

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[目次]

序および謝辞

第一章 なぜ被害者性が生まれるのか?
不当に扱われた!
二十一世紀の被害者性
二〇世紀の被害者性
〈痛みの言語の起源としてのホロコースト〉
〈痛みの言語〉
痛みのポリティクスとしての被害者性
痛みのプラットフォーム化
だれが被害者だったのか? だれが被害者と呼ばれるべきなのか?

第二章 だれが被害者だったのか?
二〇世紀の大規模な苦しみ 産業化戦争と脱産業化戦争
従軍と男性の苦しみ
戦争の傷と痛みのポリティクス
一九世紀と二〇世紀初頭の戦争
〈アメリカ南北戦争〉
〈第一次世界大戦〉
二〇世紀後半と二一世紀の戦争
〈ベトナム戦争〉
〈アフガニスタン戦争とイラク戦争〉
戦争の被害者性の人種差別的ヒエラルキー

第三章 今日の被害者はだれなのか?
二十一世紀の人々の苦しみ パンデミック第一波
権威主義的ポピュリズムと被害者性
ポピュリストの被害者性戦略
〈常態化〉
〈軍事化〉
〈撹乱化〉
思いやりの抑制 痛みと冷酷さ

第四章 どうすれば被害者性を取り戻せるのか?
遺産そして闘争としての被害者性
〈遺産としての被害者性〉
〈闘争としての被害者性〉
痛みと冷酷さ
被害者性と批判
〈冷酷さの象徴的な型〉
〈被害者性の批判的な精査〉

註 訳者あとがき 引用文献 索引

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[著者]リリー・チョウリアラキー (Lilie Chouliaraki)
ギリシャ、コモティニ生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のメディア・コミュニケーション学教授。専門は、人間の脆弱性と苦痛の媒体化。著書に『The Spectatorship of Suffering』(SAGE Publications Ltd)、『The Ironic Spectator』(Polity)など。本書が初の邦訳書。

[訳者]川副智子(かわぞえ・ともこ)翻訳家。早稲田大学文学部卒。訳書にユン・チアン『西太后秘録』(講談社)、マーク・カーランスキー『紙の世界史』(徳間書店)、カイラ・シュラー『ホワイト・フェミニズムを解体する』(明石書店)、」アガサ・クリスティー『ポアロのクリスマス〔新訂版〕』(早川書房)、ベンジャミン・アリーレ・サエンス『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』(小学館)、ハンス・ライデン『ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル 画家ゴッホを世界に広めた女性』(NHK出版)など多数。