定価1,980円(本体1,800円)
発売日2025年11月27日
ISBN978-4-7917-0471-2
デビュー50周年記念
山下達郎らと結成した伝説的バンド、シュガー・ベイブ『SONGS』でのデビューから半世紀が経った今も、大貫妙子の歌は時と場をこえてリバイバルを繰り返している。あらゆる風景にさりげなく溶け込み「ここ」を満たす空気を自由に震わせる、それは最も理想的な音楽のあり方の一つだろう。女性シンガーソングライターのパイオニアとして、シティ・ポップのアイコン的存在として、純粋な音楽の探究者として……さまざまな大貫妙子の輪郭を描き出していく総特集。

総特集*大貫妙子――デビュー五〇周年記念特集
❖インタビュー
音楽はただ楽しい / 大貫妙子 聞き手=柴崎祐二
❖はじまりの風景
『SONGS』からの半世紀 / 山下達郎
偶然の連なり / 長門芳郎
終わり、始まり / 牧村憲一
❖歌い続けること
都市を泳ぐ / 細馬宏通
くりかえし、うた、い / 小沼純一
夜の薬 / 髙山花子
❖対談
あらゆる「わたし」へ / 大貫妙子×青葉市子
❖音の架橋
大貫さんとぼくたち / 網守将平
懐かしい未来 / 蓮沼執太
❖都市と記憶
ある時代の大貫妙子の歌声を愛する理由について / 松永良平
アンビバレントな「名盤」――『SUNSHOWER』の繊細さ / imdkm
サイバー《都会》(シティ)と農奴と封臣 / 日高良祐
❖マンガ
『SONGS』 / INA
❖長いつきあい
FRIENDS / 日笠雅水
憧れの人 / 千住明
These Days(青春の日々) / 市川清師
❖うつりかわるもの
いくたびかの出会い――「ヨーロッパ三部作」と「宛の無い」手紙 / 平中悠一
「旅の季節」の最終章――『ATTRACTION』と『ensemble』 / 大石始
『One Fine Day』をめぐる24の断章 / カニエ・ナハ
一九九〇―一九九三年の大貫妙子と小林武史の研究――サウンドを模索し、J-POPと格闘し、地球を歌う / 天野龍太郎
❖50年のエコー
大貫さんから教わったこと / 坂本美雨
深い愛というものがあるとすれば / 寺尾紗穂
空想する世界、想像する音楽 / 見汐麻衣
❖声という領域
「空隙」の表現――主に「When I Met The Grey Sky」(一九七六年)と『pure acoustic』(一九九六年)について / 西村紗知
耳飾りゆらめく歌声――『Boucles d’oreilles』論 / 星川彩
自然体の習得――大貫妙子のトランスナショナルな試み / 永冨真梨
子どもと共に冒険をする大貫妙子――『MOTHER3』が提示する母性ともマッチョとも違う「強さ」とは / タナカハルカ
❖資料
大貫妙子ディスコグラフィ / ドリーミー刑事