ベルクソン入門

村山達也 著

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
ベルクソン入門

定価2,860円(本体2,600円)

発売日2025年12月25日

ISBN978-4-7917-7758-7

難解な思想を理解するための、最初の一歩
✔あらゆる経験は記憶され、脳とは別の場所に保存されている。
✔知性は、真理の認識のためではなく、サバイバルのための能力に過ぎない。
✔自由行為は芸術作品に似ており、多くの人は自由行為を行なわないまま一生を終える。…
独創的で、刺激的で、ときに奇矯な哲学者を丁寧にひもとく入門書!!

line2.gif

第一章 私たちは(いかなる意味で)自由なのか――『意識の直接与件についての試論』
1 本章の主題――時間と自由と直接与件
2 自由であるとはどのようなことか
3 自由の論証・第一段階――論駁対象を特定する
4 自由の論証・第二段階――心とはいかなる存在者なのかを探求する
5 自由の論証・第三段階――自由の直接与件へ向かって
6 ベルクソンの哲学の中での『直接与件』の位置づけ

コラム1 ベルクソンの著作概観

第二章 心身はどのように協働しているか――『物質と記憶』
1 本章の主題――心と身体との関係
2 読書の分析・第一段階――二種類の記憶
3 読書の分析・第二段階――二種類の記憶の協働
4 読書の分析・第三段階――物質から知覚へ
5 イマージュの総体としての物質
6 逆円錐としての記憶
7 心身問題の解決
8 ベルクソンの哲学の中での『物質と記憶』の位置づけ

コラム2 滑稽さとは何か――『笑い』

第三章 私たちが生物であることは何を意味するか――『創造的進化』
1 本章の主題――ベルクソンの生命論とその意義、そして存在論
2 エラン・ヴィタル――根拠、内実、そして評価
3 ベルクソンのどこが素晴らしいのか
4 無の観念の批判・第一段階――なぜ批判するのか
5 無の観念の批判・第二段階――「何もない」という言葉の分析
6 西洋哲学史の中でのベルクソン哲学の位置づけ

コラム3 「なぜ何かがあるのか」という問いの批判――議論の再構成と検討

第四章 集団で生きるとはどういうことか――『道徳と宗教の二源泉』
1 本章の主題――道徳、宗教、そして神
2 ベルクソンの道徳論と宗教論とがもつ特徴
3 道徳論――圧力と憧憬
4 フィクションとしての宗教
5 動的宗教と、神の存在証明
6 ベルクソンの哲学の中での『二源泉』の位置づけ

コラム4 ベルクソンとその時代

第五章 哲学的問題をどのように解決するか――ベルクソンの方法
1 本章の主題――方法と、それが要請された理由
2 知性と言語との基本的特徴
3 知性と言語との批判
4 直観

後書き

文献一覧
索引

line2.gif

[著者]村山達也(むらやま・たつや)

2005年に慶應義塾大学大学院・文学研究科・博士課程を単位取得退学。2010年に博士学位請求論文「継起と自発性 ベルクソン哲学研究」により慶應義塾大学より博士(哲学)を取得。現在、東北大学大学院文学研究科教授。専門はフランス哲学、倫理学。主な共著に『ワードマップ ベルクソン 諸学と協働する哲学』(新曜社)、『人生の意味の哲学入門』(春秋社)、主な論文に「人生の意味について語るときに私たちを語らせるもの」、『現代思想 2024年3月号 特集:人生の意味の哲学』(青土社)の他、以下がある。"Bergson’s Arguments for Matter as Images in Matter and Memory", Archiv für Geschichte der Philosophie 106(4), 2024; "La Critique bergsonienne de l'idée de néant et du problème: pourquoi y a-t-il de l'être plutôt que rien? Essai de reconstruction formelle", Síntese: Revista de Filosofia 51(160), 2024; "Bergson on Virtuality and Possibility", in The Bergsonian Mind, Routledge, 2021; "Portrait de famille ? ― Bergson et le dernier Wittgenstein", in Annales bergsoniennes V, PUF, 2012.