定価3,300円(本体3,000円)
発売日2025年12月23日
ISBN978-4-7917-7751-8
脱走こそ、唯一可能な倫理的選択にして合理的戦略である
経済成長の神話を支え暴力を生み出しつづける、あらゆる行為を放棄すること。ここにこそ荒廃する時代を生き延びる唯一の道がある。世界を覆う「うつ状態」を資本主義社会に対する抵抗として積極的に捉え返した、退行の時代のための新たなマニフェスト。

[目次]
序論——倫理と戦略としての脱走
第一部 倫理的選択としての脱走
第一章 意志、潜在力、カオス
第二章 経験、共感、主体性
第三章 現代の倫理的破局の心理−文化的ルーツ
第四章 なぜ戦争が起きるのか?
第五章 トランスヒューマニズムと老人ファシズム
第六章 幸福小史
第二部 政治的戦略としての脱走
第一章 うつ状態を問う
第二章 諦め
第三章 思いもよらないこと
第四章 脱走
第五章 具体性のリベンジ
第六章 思考の二重敗北
第七章 想像しがたいことの神経美学
第三部 消失
第一章 精神空間のポスト人類的進化
第二章 昇華
極私的寓話(喜び、欲望、そして老化について)
追記(ポストスクリプトゥム)
訳者あとがき

[著者]フランコ・ベラルディ(ビフォ)(Franco “Bifo” Berardi)
思想家、メディア・アクティビスト。1949年、イタリア生まれ。日本語訳に『プレカリアートの詩』(河出書房新社)、『NO FUTURE』(洛北出版)、『大量殺人の“ダークヒーロー”』(作品社)、『フューチャビリティー』(法政大学出版局)、『第三の無意識』(航思社)など。
[訳者]杉村昌昭(すぎむら・まさあき)
龍谷大学名誉教授。1945年生まれ。フランス文学・現代思想専攻。ビフォとは個人的に親交があり、これまでに『フューチャビリティー』『大量殺人の“ダークヒーロー”』『第三の無意識』の三冊の翻訳を手がけている。