定価1,980円(本体1,800円)
発売日2026年1月27日
ISBN978-4-7917-0473-6
デビュー10周年記念特集!
2016年のデビュー以来、奇想の細道から現代の文学という荒野に踏み出していくその足取りはある重さと軽やかさを同時にもっていた。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』から『おもろい以外いらんねん』、『きみだからさびしい』、そして『物語じゃないただの傷』を経て、2026年のいまに大前粟生はなにを書くのか、新作『プレイ・ダイアリー』の刊行を前に問いなおす。

特集*大前粟生――『回転草』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』から『物語じゃないただの傷』、そして『プレイ・ダイアリー』まで
❖対談
なんにでもなれるから、どんなことでもできる――小説家と俳優の役作り / 大前粟生×坂口涼太郎
❖書き下ろし掌篇
楽しみになってきたさんの日記 / 大前粟生
❖オマージュ
星の形に枯葉を掃く詩が心に残っています / 宮崎夏次系
大前先生10周年おめでとうございます / 板垣巴留
❖発明されたことば
メモ・大前粟生 / 西崎憲
「プレイ・ダイアリー」について / 金子由里奈
❖大前粟生論序説
やさしい機械へのプロンプト――大前粟生の「傷」の哲学と内言という抵抗 / 稲垣諭
壊して、遊んで――大前粟生と間柄 / 難波優輝
言葉にバスタオルをかぶせる / 横田創
前回までのあらすじ / 黒嵜想
❖かれの話
やわらかくてすべすべのナイフ / 児玉雨子
友達の小説家 / 福尾匠
であったこと、いくつかの思い出はなし。 / 磯上竜也
❖けれど、それでも
今日が特別みたいにならない方がいい――大前粟生と日常への意志 / 野上貴裕
フィクションをつくる/つくることとしてのフィクション――『おもろい以外いらんねん』と『ピン芸人、高崎犬彦』 / 鈴木亘
ケアの只中で、彼岸で、あるいはまた違ったところで / 若杉茜
矮小の笑い――『物語じゃないただの傷』にみる中範囲のメンズリブ / 小埜功貴
❖インタビュー
〈私〉のために書く / 大前粟生 聞き手=山本浩貴(いぬのせなか座)
❖エセー/クリティーク
小説にとって「英断」とはなにか――「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」と批評の空洞 / 町屋良平
親愛なる粟生さんへ / 金子玲介
ぎっちゃんは夜空におちるのがこわかった。 / 大滝瓶太
❖しゃべり、沈黙し、交わり、離れる
ワンシーンずつ撮っていけばいいから――滞留する準自己の言語 / 高田怜央
さびしさの複数形 / 百瀬文
その「恋」は誰のためのもの?――『7人の7年の恋とガチャ』が提示する「当たり前」の撹乱 / 関根麻里恵
「家族の非常口」としての非人間――その変遷と現在地 / 佐々木ののか
❖短歌
るる / 野村日魚子
❖大前粟生とうたう
物語じゃない、ただの歌――『柴犬二匹でサイクロン』の魅力について / 石川美南
虹はうれしいと思うから / 青野暦
❖誰が語るのか
炎天に輪廻――『柴犬二匹でサイクロン』論 / 吉田恭大
騒がしい画面、冷たい部屋 / 笠井康平
戦争の記憶を辿る、媒介する身体 / 佐々木知子
❖始まりから彼方へ
大前粟生主要作品解題 / 鹿島隆生
❖忘れられぬ人々*52
故旧哀傷・中村紘子 / 中村稔
❖物語を食べる*44
アウター・サバービアからの伝言 / 赤坂憲雄
❖詩
春へ 他一篇 / 湖中千絵
❖今月の作品
小森まな・祁答院刻・norik@_K・冷泉秋夏・澁谷八千代 / 選=高橋順子
❖われ発見せり
Um, 編む。歩む! / 白木美幸
表紙・目次・扉=北岡誠吾
表紙写真=©映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」配給:イハフィルムズ