定価3,960円(本体3,600円)
発売日2026年2月18日
ISBN978-4-7917-7766-2
もう一つの自由をめぐる闘争史
「自由の学風」の大学で起きた学生たちの叛乱は、何を社会に訴え、現代の私たちに何を遺したのか。関係者を含む多くの証言や資料から未完の闘争史の全貌に迫る。大学の「自治」が揺らぎ、学問それ自体のあり方が問われるいま、あらためてその歴史的意義を検証する。
インタビュー
山田稔/小野和子/石田紀郎/池内了/松久寛/上野千鶴子/中野敏男/高城修三/鵜飼哲/池田浩士
執筆者
松本卓也/福家崇洋/渡辺恭彦/小林哲也/池田恭哉/駒込武/大隈楽/木下千花/藤原辰史

[目次]
プロローグ 「一九六九年」という磁場、あるいは未完の対話のために(松本卓也)
序 戦後史のなかの「京大1969」(福家崇洋)
第1部 資料集(渡辺恭彦 編)
第1章 教養部の学生と教官
第2章 バリケードの中の学び
第3章 出来事としての1969年
第4章 医学部における闘争――青医連運動に始まる
第5章 農学部教頭と助手会の発足
第6章 京大全共闘と新入生
第7章 嵐の後で
第2部 論考
京大医学部闘争史――インターン闘争から医局講座制解体へ(松本卓也)
教養部の「造反教官」野村修――「封鎖」の思想、「暴力の批判のために」(小林哲也)
高橋和巳と文学――京大闘争との対峙の中で(池田恭哉)
教育学部の大学院入試闘争(駒込武)
吉田寮と一九六九年――自治会による入退寮選考権の確率とその後(大隈楽)
榎美沙子と中ピ連(木下千花)
世界革命とアングラ文化――ポスト1969と京大西部講堂(福家崇洋)
第3部 インタビュー
あの頃(山田稔)
女性史を切り拓く(小野和子)
公害現場を歩き続けて(石田紀郎)
大学紛争下の科学者たち(池内了)
工学の倫理を問う(松久寛)
京大闘争から「生き延びるための思想」へ(上野千鶴子)
京大C戦場を語り継ぐ(中野敏男)
吉田寮の現場にて(高城修三)
一九七〇年代の京大闘争と熊野寮(鵜飼哲)
exclusive interview 池田浩士とこの時代(池田浩士)
エピローグ 大学ってなんだろう?(藤原辰史)
関連年表
執筆者・インタビュー関係者略歴/図版クレジット

[編者]
松本卓也(まつもと・たくや)
1983年、高知県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は精神病理学。著者に『人はみな妄想する』(青土社)、『創造と狂気の歴史』(講談社)、『斜め論』(薩摩書房)、共編書に『コモンの「自治」論』(集英社)など。
福家崇洋(ふけ・たかひろ)
1977年、徳島県生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は日本近現代史(社会運動史、思想史、史学史)。著書に『戦間期日本の社会思想』(人文書院)、『日本ファシズム論争』(河出書房新社)、『満川亀太郎』(ミネルヴァ書房)、共編書に『思想史講義』(ちくま新書)など。
渡辺恭彦(わたなべ・やすひこ)
1983年、新潟県生まれ。大阪産業大学経済学准教授。元・京都大学大学文書館特定助教。専門は思想史。著書に『「戦後民主主義」の歴史的研究』(法律文化社)、『甦る田辺哲学』(法政大学出版局)など。