定価5,940円(本体5,400円)
発売日2026年5月26日
ISBN978-4-7917-7790-7
世界はどこへ行くのか、私たちの未来はどうあるべきか
ユタ州の砂漠に作られた爆撃実験用の模擬都市、ハリウッド大通りに突如生まれた不気味な陥没穴、雌雄同体化したホッキョクグマが告げる完新世の終焉、多民族が生活する地域で激しさを増すルーツの違う移民間や人種間での抗争……。預言者とも称され、常に小さきものをまなざし続けた著者が、いま世界に起こっていること暴きだし、私たちのありかたを問う。
原書 Mike Davis, Dead Cities And Other Tales
◎序文=レベッカ・ソルニット

[目次]
序文――レベッカ・ソルニット
序 章 ニューヨークの大火
幻想という仮面 恐怖研究 「永遠に続く不気味なもの」
ブラック・ユートピア マンハッタンの悪夢 虫食いリンゴ 恐怖経済
異世界との戦い 我らはみな火星人
第Ⅰ部 ネオンで彩られた西部
第一章 「白人の存在はただの悪夢だった……」
捜索者 救世主 蜃気楼 預言
第二章 夢の国西部での生態系破壊
第一部:地獄の肖像
ミズラックの地獄 西部の再測量 クラゲ状の胎児
第二部:世界の傷を癒す
強いサムおじさんを挫く 殺人研究所 大「廃棄物」盆地? 追記
第三章 ベルリンの骸骨、ユタ州のクローゼットに眠る
ブレヒトを爆撃する 拝火教教徒協会
チャーチルの「マルクス主義」 雷鳴作戦
第四章 ラスベガスvs自然
環境テロリズム 過剰成長 閉ざされた別世界
都会の砂漠を緑化する
第五章 津波の記憶
津波博物館 ワイアケア・パイレーツ ラウパホエホエ校
第Ⅱ部 聖なる御霊
第六章 ペンテコステの震動
アズーサ通り アンジェラス・テンプル クリスタル・カテドラル
世界の光
第七章 ハリウッドの暗い影
ファイヴポインツ 天使の飛翔 『裏切りの街角』
『キッスで殺せ!』 『ゼイリブ』
第八章 無限ゲーム
ゲーム開始 ゲーム序盤の計画 日本、ゲームの賭け金を引き上げる
誰が勝者で、誰が敗者か? ダウンタウン・サウスのディズニー化
歴史的中核地区、「レーガン」化される 逆張り戦略
ダウンタウン開発の迷走? ペレストロイカか最終局面か?
追記:プレー再開
第九章 地下鉄、ロサンゼルスを呑み込む
最後の下層民の分け前か? 対立の現場 「この呪われたプロジェクト」
第一〇章 新型工場制奴隷労働
ロサンゼルスのラストベルト 一族独裁体制 賃貸プランテーション
腐敗した自治区 ポーカーフェイス スーパー・パン・ナイン
第Ⅲ部 叛乱都市
第一一章 水爆並みのワル
内なる情熱のたぎり/内燃機関か、アカの陰謀か?
ギジェット、叛乱に参加する 秋のアナーキー
六〇年代再探訪
第一二章 幻想の全焼
黒人版虐げられた民衆の暴動? 大恐怖 追記
第一三章 誰がLAを殺したのか? 政治から読み解く都市の死
都市が消える 共和党の荒野 死体の数 新・空間の隔離政策
郊外の多数派 安物スーツを着たレミング 救貧法州
人権の焼却処分
第一四章 コンプトンにおける恐怖と嫌悪
青という色 白人による経済封鎖 新たなプランテーション?
第一五章 ダンテの選択
二重の葬式 究極の都市地獄 大家族 失われた部族 ヘイト製造所
小さな地獄 収奪されたオークウッド 追記
第Ⅳ部 極限科学
第一六章 歴史の舞台を舞う宇宙の踊り手たち?
革命的な科学か? ドラゴンと彗星 プレートテクトニクスの保守的革命
整合的破局論? 開放型としての地球 宇宙のメリーゴーランド
カオス的結合 複雑で絡み合った因果関係 衝突による加温
火星で像は見つかるか 地球上の生命 地球外生命体はどこにいるのか?
おうし座流星群の悪魔たち 天文学と歴史の出会い 天体衝突か噴火か
隠された歴史
第一七章 死の都市の自然史
廃墟の科学 有毒なメトロポリス 修正版ジェファリーズ
アフター・バークレー 爆撃の生態学 ゲットー地形学
都市のパンデミック
第一八章 奇妙な時代が始まる
第一年 枯渇する未来 ゴジラ 死んだ海 追記――四年後
謝辞
訳者あとがき
索引

[著者]マイク・デイヴィス(Mike Davis)
1946年生まれ。精肉工場の工員や長距離トラックの運転手などを経て、カリフォルニア大学アーバイン校、同リバーサイド校教授などを歴任。2022年没。主な邦訳書に『要塞都市LA』(青土社、2001年、増補新版2008年)、『感染爆発』(紀伊國屋書店、2006年)、『自動車爆弾の歴史』(河出書房新社、2007年)、『スラムの惑星』(明石書店、2010年)がある。
[訳者]日比野 啓(ひびの・けい)
1967年生まれ。専門はアメリカ文化・演劇。成蹊大学文学部教授。『「喜劇」の誕生――評伝・曾我廼家五郎』(白水社、2024年)で第51回大佛次郎賞受賞。著書に『アメリカン・ミュージカルとその時代』(青土社、2020年)、『三島の子どもたち――三島由紀夫の「革命」と日本の戦後演劇』(白水社、2020年)など。訳書にマイク・デイヴィス『要塞都市LA増補新版』(青土社、2008年)、ほか。