定価1,980円(本体1,800円)
発売日2026年5月27日
ISBN978-4-7917-1497-1
もうひとつの哲学的伝統、その内奥へ
アラビア哲学の地位は、この百年の間に劇的に変化した。「中世」の概念が一変したことを背景に、アラビア哲学の重要な哲学者の紹介が相次ぎ、彼らが生みだした独特の用語や概念も疎遠ではなくなりつつある。本特集では、ますます注目を集めるこの巨大な伝統に光をあて、その全体像に迫る。

[目次]
特集*アラビア哲学――もうひとつの哲学史
【討議】
ギリシャから遠く離れて / 小村優太+アダム・タカハシ+山内志朗
【翻訳といういとなみ】
プラトンかアリストテレスか――形成期のアラビア哲学 / 三村太郎
翻訳を経たアリストテレス哲学の変容――アフロディシアスのアレクサンドロス『諸問題集』のアラビア語訳を例に / 渡邉真代
【哲学者たちの肖像】
魂論の行方――古代からアラビアの注釈伝統 / 小村優太
アシュアリーと他者なき世界 / 法貴遊
哲学者を生ききる――スフラワルディーの生と思想 / 宮島舜
シーア派諸派における哲学の受容とその一つの結末 / 菊地達也
【神秘と思索】
愛を介してスーフィズムを考える / 井上貴恵
イスラーム神秘主義のジェンダー論的転回――イブン・アラビー思想の今日的展開 / 澤井真
存在と思考の外へ / 小野純一
【西方より来たる】
現代社会へのアラビア哲学の影響――知性単一説をめぐる論争から / 小林剛
プロティノス思想のアラビア語圏への伝承 / 豊田泰淳
初期イスラーム思想とプロクロス――『純粋善について』における受容と再構成 / 西村洋平
アラビア魔術と霊的実体――偽アリストテレス・ヘルメス関連文書からラーズィーまで / 中西悠喜
【もっと! アラビア哲学の世界へ】
アラビア文字資料のデジタルアーカイブ / 石田友梨
「アラビア哲学」のススメ――私的読書ガイド / アダム・タカハシ
【新連載●東京学派と革命●第一回】
「駒場カルテット」という事件——イントロダクション / 山口尚
【連載●社会は生きている●第四六回】
社会の制御 9——相互主観 / 山下祐介
【連載●京都〈移民〉紀行●第一五回】
崇仁に森を創ること、その意味を考える / 森千香子
【連載●家族と憲法●第一二回】
戦後民法改正(2)——牧野英一と我妻栄の攻防 / 木村草太
【連載●スコラ哲学と圏論の邂逅●第五回】
スコラ哲学の迷宮を訪ねる(1)——ライプニッツからスコラ哲学へ / 山内志朗+西郷甲矢人+鈴木大地
【研究手帖】
エネルギーを媒介に空間性を読む / 古賀勇人